ユーザーの嗜好はコミュニティに表れる
mixi、モバゲータウンは、メディア乱立のモバイル界において、順調に会員数を増やし続けている。モバゲータウンでは779万人、mixiでは1日のPVがPC版mixiのPVを超える時もあるという。脅威的な伸びである。
こうしたユーザー主導型のSNSサイトにおいては、ユーザーのモチベーションが何か把握しておくことが、広告効果最大化のためにもっとも重要だ。つまるところ、ユーザーは何がおもしろいと感じ、何をつまらないと思うかを知っている必要がある。
SNSサイトでのユーザーのモチベーション、または嗜好性はコミュニティにも反映される。以下、それぞれのサイトでのカテゴリ別の登録数を調べてみた。
1 学校 | 185,764 |
2 音楽 | 180,874 |
3 会社、団体 | 115,389 |
4 グルメ、お酒 | 103,713 |
5 趣味 | 95,775 |
6 スポーツ | 95,102 |
7 地域 | 78,858 |
8 芸能人、有名人 | 65,141 |
9 学問、研究 | 62,580 |
10 同年代 | 51,814 |
1 地元の友達 | 87,515 |
2 音楽 | 46,709 |
3 雑談、相談、チャット | 46,318 |
4 友達探し | 41,379 |
5 スポーツ | 35,519 |
6 学校 | 34,049 |
7 趣味 | 31,762 |
8 ゲーム | 29,063 |
9 マンガ/アニメ | 26,891 |
10 同年代 | 25,969 |
もっとも大きく異なる点は、mixiが完全招待制であることだ。リアルでの知り合いからしか招待を受けることができないため、マイミクは必然的にリアルでつながっており、そこから派生するコミュニティも活性化する。コミュニティの数も多くなるわけだ。また、サイト内だけでなく、リアルでもコミュニケーションが行われているのが想像できる。
一方モバゲータウンは、「地元の友達」「雑談、相談、チャット」「友達探し」といった、これからリアルでのコミュニケーションをしたいというモチベーションが見える。女性で登録すると、男性ユーザーから友達登録のメールがかなりの数届いたりもする。男女コミュニケーションが、mixiよりも多いだろう。
ひとことでモバイルのSNSといっても、mixiは、リアルの友人とネットとつながり、コミュニケーションを補完するものであり、モバゲーはネットでつながった友人とリアルでコミュニケーションするといった、ユーザーのつながり方自体が異なることが分かる。
このように、そもそもデバイス自体が小さいのに、上記のようなことを、細々と調べていくのは非常に煩雑だ。しかしこういった意識が、広告効果にダイレクトに反映することを忘れてはいけない。
メニューのスペックだけに気を取られ、ユーザー視点に立つことをついつい忘れがちだが、メディアの中身、変化を知ることが、広告効果に影響を及ぼすことを私たち広告代理店は忘れてはならない。