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MarkeZine Day 2025 Retail

西口一希と考えるマーケティング視点の経営

「リアル店舗を超えて、AR/VRに可能性をみる」スマニュー西口×ZOZOテクノロジーズ金山対談

何万通りの“あなたサイズ”を用意する理由

西口:コンセプトありきで、「これでどうだ!」というのはもう通用しない、と。だからZOZOSUITであり、体型データを含めた膨大なデータの活用なんですね。

金山:そうですね。将来的にはオンデマンド生産でかつオーダーメイドとほぼ変わらない体験を提供します。今はベーシックな商品ラインアップですが、現在少しずつラインアップの拡充が進んでいますし、今後は靴や下着といったカテゴリーでも一人ひとりに合うものをご提供すべく開発を進めています。

 プライベートブランド「ZOZO」のコンセプトを「Be unique. Be equal.」と掲げており、皆が個性的であり平等だ、認め合おうという思いを込めています。ただ単にみんなで同じものを着ようぜと言うつもりはありません。

西口:一貫していますね。では、リアル店舗に進出するつもりは?

金山:これは完全に個人の意見となりますが、当分はないと思いますね。そこに僕らの強みはないし、今のところリアルでやる意味を少なくとも僕は見出せていないです。

 リアルで服を買う楽しさももちろんありますが、僕自身はイマイチなんですよね、試着室は混んでるしなんか恥ずかしいし、そもそも試着面倒じゃないですか? それより、あなたのサイズこれです、試着もお直しも要りませんというほうがいい……。それが「ZOZO」(笑)。

西口:わかりやすいですね(笑)。

目に映れば必ず人はモノを買う

金山:西口さんはリアル店舗のご経験がありますが、どうですか?

西口:僕も個人的には試着は面倒ですが、ロクシタンの経験から、リアル店舗は拡大路線こそなくてもゼロにはならないと思いますね。やはり、店舗接客の力はブランド体験にすごく強かった。

金山:なるほど、それはありますね。僕も先日シアトルで「Amazon Books」や、オンラインでメガネをつくれるWarby Parkerのリアル店舗に行ったんですが、店舗から受ける情報量は確かに多かった。毎日通る道にあったら、その刷り込みで純粋想起を取れてECも伸びそうです。モノは使いようですね。もしも僕らがリアルをやるなら、単にやるのではなく、お客様に新しい価値を届けることがき、ZOZOらしいすごいものにしないといけないとは思います。

西口:一方で、ZOZOはファッションコーディネートアプリ「WEAR」を運営されています。そこで実行されているスタイリストやユーザーサイドからの個人コーディネート提案やバリエーション、好き嫌いの反応、売り方や提案の仕方もすべてデータベース化されているのだろうなと思いました。それを突き詰めると一定の接客ノウハウはアルゴリズム化できそうですよね。

金山:はい、できると思っています。それに、リアルを飛び越して僕はAR/VRのほうが絶対に来ると思っていますし、ZOZOテクノロジーズのR&DチームのZOZO研究所でも研究を進めています。

 かつて「テレビでモノは買わない」「ガラケーで、スマホで、モノは買わない」とさんざん言われましたが、目に映れば必ず人はモノを買うんです。そこにECは発生する。1社、1ブランドでの展開は難しいかもしれないですが、ゲームなどコンテンツから始まってモールのような形が成立するのは十分あり得ると思います。

 西口:同感ですね。ZOZOグループの行く末がますます楽しみになりました。今日はありがとうございました!

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この記事の著者

西口 一希(ニシグチ カズキ)

大阪大学経済学部卒業、プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン(P&G)マーケティング本部に入社。ブランドマネージャー、マーケティングディレクターを歴任。ロート製薬 執行役員マーケティング本部長として「肌ラボ」「Obagi」「メラノCC」「デオウ」「ロート目薬」などの60以上のブランドを統括。ロクシタンジャポン代表...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/10/15 14:00 https://markezine.jp/article/detail/29347

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