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統括編集長インタビュー

カリスマ経営者ジャシュ・ジェイムズが断言「スマホ経営の時代。リアルタイムデータで会社が変わる」


良き生徒であり、良き先生であれ

押久保:リアルタイムデータが共有されることで、意識が変わった好例ですね。一方で、デジタルの力を使ってより大きなインパクトを出すためには、現場だけではなく幹部のマインドや幹部間での意思疎通も大切だと感じます。シェーンさんにぜひ聞きたいのですが、よりよいCMOとはどんな資質をもっているのでしょうか。

シェーン:それはよい質問ですね。2点あります。一つは「良き生徒であれ」。私の例で申し上げましょう。当社は現在アカウントベースドマーケティングに注力しているのですが、実は私はほんの最近までそれをよく理解していませんでした。

 でも、みんなが話題にしているので、恥ずかしさに耐えて「それってどうやるの?」と聞いてみたのです。私は世界で最大手のデジタルエージェンシーのCEOを務めていたんですよ? でも、現実に知らないことはたくさんあるのです。変なプライドを持たずに素直に聞く、これが大切です。

 もう一つは「良き教師であれ」。CMOの役割として、スタッフはもちろん、時にはお客様にも様々な事柄を教える立場になります。そのため、きちんとコミュニケーションができる能力が非常に問われます。同じことでも、それを3つの角度で伝えられないといけません。そのスキルはCEOにも求められますね。「言葉」は非常に大切です。

押久保:CMOが活躍するためにはCEOとの関係性も重要だと聞きますが、ジャシュさんとはどのような関係性ですか?

シェーン:私とジャシュは、よくコミュニケーションをとっています。一週間のうち1日で10時間ぐらい1on1をする時もあります。その時はほとんど会社の将来の話をしていますね。その代わり残りの6日は、顔を合わせません(笑)。そうやってバランスをとっています。もし、CEOと緊密な関係が作れないようであれば、その会社はさっさと辞めたほうがよい。それほどCEOとCMOの関係性は重要なんです。

 ジャシュからは時に「CEO視点での意見が欲しい」と言われることがあるので、そういった際はCEOの視点でアドバイスをすることがあります。1番のチャンネルがCMO、2番がCEOという感じでカメラを切り替えるような感覚です。

 古くからジャシュを知っているあなたならわかるかもしれませんが、ジャシュのパワーは超人的です。プロダクトに対する思い入れはケタ違いに強く、人並みはずれたパッションをもっています。

 何より、重要な局面とちゃんと向き合い、正しい意思決定ができる。重要だと思えばスマホも見ずに即決です。そして一度決めたら揺るがない。私はジャシュと働きたくてDomoにジョインしたんですよ。退屈な人と働くより、魅力的な人と働きたいでしょ。

目指すはIT企業上位10社入り

押久保:超人的なパワーに同感です。今度はジャシュさんに聞きたいのですが、市場動向をどう捉えられているのかについて教えてください。デジタルマーケティングの領域では、アドビによるマルケト買収をはじめ、近年大手ベンダーの買収が続いているように感じます。こういった動きから、様々な企業が登場する拡大のフェーズからやや成熟・縮小のフェーズにあるのかなとも感じますが、どう思われますか。

ジャシュ:確かにそういった側面に見えるかもしれませんが、完全に同意はできません。あるタイミングで成熟・縮小が起こることもありますが、ずっとそれが続くことはありません。

 市場にはライフサイクルがあり、新しいものは常にスタートアップが生み出します。現在ですとAIの領域がよい例です。どのAIのサービスが優れているのか、現在は見分けがつきません。群雄割拠の状況ですが、そういった状況でこそ新しいものが台頭し、次第に差別化されていく。

 技術なり企業なりが、大手に買収されていくこともあるかもしない。アドビのマルケト買収も一例でしょう。あの買収は、アドビの幅広い顧客層にマルケトが売れるようになるのでよい買収です。一方で、常に新しいイノベーションが求められています。

押久保:ライフサイクル。常に状況は動いている、ということでしょうか。

ジャシュ:そのとおりです。特定の時期だけを見て決めつけてはいけません。さらに市場動向を見る場合に重要なのが、上場企業と非上場企業だと状況が違ってきます。

 上場企業の場合は、常に投資家を見なければなりません。たとえば仮にあるプロジェクトで、5千万ドルの先行投資を必要とするとしましょう。その先行投資を決断するのは容易なことでありません。業績に直結しますし、株価にも影響するのでためらいます。一方で企業買収は、市場から好意的に受け止められる傾向が多い。先行投資に5千万ドルかけるよりも、企業買収に10億ドルかけるほうが容易なこともあるのです。

 企業には独立で成長するか、どこかと一緒になるのか、2つの道があります。独立して成長しマイクロソフト、オラクル、IBM、最近だとセールスフォースのようなIT企業上位10社の地位になるのは、容易なことではないでしょう。

押久保:Domoはどうでしょうか。

ジャシュ:もちろん、上位10社にはいる可能性は十分にあると考えてますよ。これまでの大手IT企業のシステムは、既存で構築したシステムを時代に合わせて拡張させていますよね。いわば、つぎはぎな状態です。でも、私たちは今の時代に最適なクラウドベースのシステムを、まっさらな状態から作りあげています。

 Domoには主要な機能が7つありますが、いわばリアルタイムデータによる意思決定支援を実現するために、7つのスタートアップを同時に立ち上げて連携させているようなものです。そうしたシステムはこれまでにありません。クラウドベースかつリアルタイムデータの利活用を目的とした比類ないシステムと自負しています。

シェーン:私もジャシュに同意です。今すごく大きなギャップになっているが、欲しいデータにアクセスできる人は全体の中の1%しかいないことです。ピラミッド構造でいうと、エグゼクティブやデータアナリストなど、ごく限られた人たちだけなんですよね。

 でも、実際にデータが必要な人は全社員なんです。仕事をしている人たちすべてと言ってもよいでしょう。それが手元に届いていない現実がある。その99%のギャップを埋めることができるのはDomo。可能性は大きいですよね。

ジャシュ:最後にもう一言。リアルタイムデータのパワーをぜひ体感してほしい。今までにない価値を生み出せるし、人生が変わますよ!

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この記事の著者

押久保 剛(編集部)(オシクボ タケシ)

メディア編集部門 執行役員 / 統括編集長

立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、2006年スタートの『MarkeZine(マーケジン)』立ち上げに参画。2011年4月にMarkeZineの3代目編集長、2019年4月よりメディア部門 メディア編集部...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/11/09 13:55 https://markezine.jp/article/detail/29383

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