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統括編集長インタビュー

カリスマ経営者ジャシュ・ジェイムズが断言「スマホ経営の時代。リアルタイムデータで会社が変わる」


ジャシュ・ジェイムズが断言「スマホ経営できるよ」

押久保:キーノートを拝見して、本当にスマホで経営ができる時代なんだなと驚きました。御社のエグゼクティブたちは既に実践されているそうですね。すごい時代になったと感じました。

ジャシュ:それが現実です。私はデータドリブンの領域に関わり続けて、かれこれ20年ぐらいになります。その間に、ネット、スマホ、クラウド、ビッグデータ、AI……パラダイムシフトが、次々と起こり環境が一変しましたよね。結果的に、スマホでリアルタイムデータを基に意思決定ができる時代になりました。当社の創業は2010年ですが、そもそも私が欲しかったサービスがDomoです。何より自分自身がリアルタイムデータを欲していて、それを用いて意思決定がしたかった。今はそれができています。

 リアルタイムデータの価値をご存知ないお客様に提案すると「そんなのいらないよ」と言われるケースも多いのですが、一度リアルタイムデータの価値やパワーを経験すると必要不可欠な存在という認識に変わります。リアルタイムで意思決定ができるので、競合よりも一歩先にビジネスを推進できるのはもちろん、働き方、会社のカルチャーなども変わります。そのような事例をたくさん見てきました。

シェーン:これまでは、PCで仕事するスタイルでしたが、スマホでできる時代がきたのです。経営をはじめ、意思決定をする仕事はもはやスマホで完結できます。私自身の例を挙げると、8割程度の仕事はスマホ上で完結しています。

 スマホであれば場所を選ばないで意思決定ができます。PCは電源を入れてログインをしないと動きません。煩わしいですよね。スマホはすぐにアクセスできます。リアルタイムで状況を把握できるので俊敏性も高まります。

キーノートで公開されたDomo幹部たちのスマホ画面。経営に必要な情報がここですべて閲覧可能
キーノートで公開されたDomo幹部たちのスマホ画面。
経営に必要な情報が集約され、ここですべて閲覧可能な状態となっている

多く企業はゴール設定ができていない

押久保:8割がスマホとは驚きです。スマホで仕事をするのか、PCで仕事をするのかでどんな仕事なのかわかる時代になるのかもしれませんね。さて今回のイベントではデジタル変革がテーマです。リアルタイムデータでの意思決定を行うことで、組織やカルチャーが変わるという話もありますが、多くの企業はまだ道半ばの状況と感じます。推進のポイントはどこにあるとお考えでしょうか。

シェーン:それは私がお答えしましょう。私はこれまで多くの企業でデジタル変革のお手伝いをしてきましたが、重要なポイントはたった2つ。「ゴール設定」と「事例」です。まずゴール設定についてですが、自社で事業を展開しているのですから、自分たちにとっても最も大切なゴールはなんなのか、ゴールを達成するためのKPIはなにかが、わかっていないとダメですよね。

 AI、スマホ、AR、仮想通貨……新しいテクノロジーが登場すると、みんなワクワクします。一方で本当に大切なことを、ついつい忘れてしまう傾向にあります。自分たちの事業にはどんな強みがあって、投資するのならどんなリターンを求めるべきかを、まず第一に考えないといけません。

 自分たちのゴールはなんなのか、それをちゃんと理解し明確に打ち出されていれば、リアルタイムでどの情報があれば、最善の手を打てるのかわかりますよね。反対にゴールがわかっていないと、どの情報があればよいのかがわかりません。

押久保:裏を返せば多くの企業では、ゴール設定がちゃんとできていないということでしょうか。

シェーン:大きな声では言えないのですが、実際そう思いますね。もちろん、まったくゴールがないというわけではなくて、大きなゴールはあるのですが、そのゴールへ近づくために具体的にどういうステップを踏めばよいのか、という部分があやふやになっているケースが多いです。的確なゴール設定ができる人物は非常に稀有ですよ。実は限られた人にしかできないことなんです。

 事例も重要です。結局、人は現実を見ないと行動が変わりません。実際にデジタルを活用することで、これまでよりもこんなに仕事がしやすくなる、こんな体験が提供できるなど、具体的な事例を見せられるとよいのです。当社の導入ユーザーにUSJさんがいらっしゃいます。テーマパークは非常に古い業界ですが、リアルタイムデータの活用により劇的に仕事を改善した好例です。

 具体的には、皆さんアトラクションに乗りたくてテーマパークに行くと思うのですが、お目当てのアトラクションが長蛇の列でフラストレーションを感じた経験がありますよね。ほとんどの来場者はそんな体験をしたくありません。そこでUSJはDomoを活用することで、アトラクションの混雑状況をリアルタイムで可視化しました。

 朝、昼、夕の時間帯で来場者はどういった移動をするのか、一日の中で何時が具体的に混むのかなど、アルバイトを含め従業員みんなで共有したのです。すると「お客様、こちらの列が長くなっています。よろしければあちらは空いていますがいかがでしょうか」という行動が自発的に起こりました。これこそ、働き方が変わった瞬間ですよね。「よりよくするためにはどうすればいいのか」の観点から行動や発言が生まれるのです。

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良き生徒であり、良き先生であれ

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この記事の著者

押久保 剛(編集部)(オシクボ タケシ)

メディア編集部門 執行役員 / 統括編集長

立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、2006年スタートの『MarkeZine(マーケジン)』立ち上げに参画。2011年4月にMarkeZineの3代目編集長、2019年4月よりメディア部門 メディア編集部...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/11/09 13:55 https://markezine.jp/article/detail/29383

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