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MarkeZine Day 2025 Retail

フリマアプリによる「消費変貌」~1億総商人時代のモノへの向き合い方~

売れるものしか買わない、生前整理、子どもの金銭教育……「メルカリ」のデータから見た消費の変化


親が子どもにメルカリを利用させる!?その理由とは

 実は子どもの間でも、メルカリの特徴的な活用法が生まれつつあります。それは「金銭の初等教育」としての活用です。

 先日、メルカリのお客様200名が集まった「Mercari FANS MEETUP」を開催したのですが、ある小学校1年生がメルカリを使った研究発表を行いました。内容は、その小学生が夏休みに海で拾ったシーグラス(※海辺にあるガラスの破片。波に揉まれて滑らかな造形になるのが特徴)を、アクセサリーとしてメルカリで販売したというものです。

 彼は漁師からシーグラスが人気だということを聞き、まずメルカリで売れ行きをリサーチします。実際に売れていることを確かめると、みずからシーグラスを収集して、100円ショップで購入したリングに接着し、アクセサリーとしてメルカリで販売したのでした。

 販売しただけでなく、小学生なりに売上とかかったコスト、手数料などの「損益計算」を行っていました。彼はメルカリを通して、市場のリサーチから価格決定、販売、支出管理まで体験したと言えます。このように、小さな子がメルカリで経済の仕組みや金銭について学ぶケースが出てきているのです。

 また、当社はリアルでフリマイベントもやっており、そこでも子どもたちの売買が見られます。小学校高学年ほどの子どもが、いらなくなった玩具を小学校低学年に売るなど。もちろん現金を使って取引しており、親御さんはその様子を近くで見ています。

 中には、売ったお金ですぐに別のものを買う子もいます。メルカリの世界の中で行われる循環を、イベントの場で子どもが気軽に体験しているのです。

 このようなシーンが増えてきており、子どもたちは、いらないものを次の人に譲る世界観やお金の収支を実感しているのではないでしょうか。小学校時代にお金の循環を体験するのはなかなか難しい中で、金銭の初等教育になり得る可能性を感じます。

 これまで、金銭感覚を身につける最初の機会は、高校以降のアルバイトなどが多かったかもしれません。早い段階で二次流通を体感することにより、モノや消費への向き合い方がリアルになってくる可能性はあります。

二次流通が一般化する中で、企業はどう消費者と向き合うべきか

 子どもから中高年まで、各セグメントにおける消費の傾向を紹介しました。セグメントごと異なる動きや文化が生まれていることを理解していただけたと思います。

 それぞれの動きや文化のベースには、共通して「二次流通の一般化」があります。二次流通が定着する中で、セグメントごとの嗜好や状況に合わせてそれを活用していると言えるでしょう。

 では、二次流通の一般化という背景をふまえ、商品を販売する企業やメーカーはどう消費者と向き合うべきでしょうか。メルカリでの取引データを分析していると、その参考となりそうな傾向が見られます。

 まず言えるのは、今後、二次流通でも価格の下がりにくいことが一つの価値になるのではないでしょうか。と言うと、ブランドものなどが想起されますが、決してその限りではありません。実際、メルカリの取引を見ると、ブランドもの以外の商品や手頃な定価の商品も、二次流通で人気を集めているのです。

 では、二次流通を味方につけ、消費者の心を捉える商品やサービスとはどんなものなのでしょうか。次回、メルカリのデータを活用しながら考えたいと思います。

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この記事の著者

鋤柄 直哉(スキガラ ナオヤ)

 2014年3月に株式会社メルカリに入社。オンライン広告担当として入社し、その後日本市場をメインに、オンライン・オフラインのマーケティング業務全般を横断的に担当。オンラインプロモーション・TVCM・リアルイベントの3本を軸にマーケティング活動を展開中。 新卒で入社した株式会社ボルテージでも広告出稿を担当。アプリグル...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/10/29 12:02 https://markezine.jp/article/detail/29524

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