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ソーシャルメディア その進化と活用

エースコックが「スーパーカップMAX」のプロモーションでTikTokを活用 ブランドリフトも最大級?

口出しすればするほどおもしろくなくなると思って

――今回のTikTokキャンペーンの概要を教えてください。

加藤:広告キャンペーンとしては「#チャレンジ(ハッシュタグチャレンジ)」というものです。キャンペーン専用の音源やスタンプを使ったショートムービーを公開。「#max衝撃百裂拳」という専用のハッシュタグを付けてユーザーに投稿してもらおうというものです。

 YouTubeでは「踊ってみた」が人気コンテンツの一つでしたが、難易度の高いダンスに挑戦するようなものが多かったでしょう。「#チャレンジ」では“ガチ”でなくてもできる形で実施しているケースが多く、そこでも投稿のハードルが下がっています。

「#max衝撃百裂拳」TikTok公式アカウント@supercupmaxより

オノダ:「お手本」となるムービーはYouTubeなどで活躍しているインフルエンサーの方に作っていただきました。マス広告の方では笑福亭鶴瓶さんとTKOの木下隆行さんという、いわばどこまでもわかりやすいタレントを起用し、テレビうけするコミュニケーションを狙いました。一方、デジタルではメディアごとにフォロワーやエンゲージメント率などからポイントを計算して候補を割り出し、バランスを調整した上で各メディアに出ていただく方を決めていきました。YouTuberの「ねお」さんやTikTokインフルエンサーの「莉子」さんとかですね。テレビCMと動画を公開した後、SNS上で反響を確かめると、ほとんどインフルエンサーの名前しか出てこない状況となりました。

――キャスティングについて広告主として意見したことは?

森本:まったくしていないですね。鶴瓶さんと、木下さんはわかりましたけど、インフルエンサーの方々は誰一人知りませんでした。意見のしようもない。

オノダ:キャスティングのプレゼンシーンは印象的でしたね。エースコックの方が10名くらい同席されていたのですが、インフルエンサーについて一人ずつ説明するごとにウェーブのごとく首を傾げられて(笑)。

――よ、よく通りましたね。

森本:口出しすればするほどおもしろくなくなると思っていたので、キャスティングについても何も言いませんでした。上司もそこは任せてくれていたので。

――クリエイティブ面で工夫されたことは?

加藤:ブランドを伝えつつ、楽しく遊んでいただけるように鶴瓶さんの顔と商品パッケージをスタンプにしました。

オノダ:鶴瓶さんに「俺はみんなのぬいぐるみだから」と言っていただき実現しましたね。ブランド体験を織り交ぜられるようスタンプの内容と歌詞は考えましたが、作曲と振り付けは現役世代のクリエイターに依頼しました。作曲はトラックメイカーの「チバニャン」さんで、振り付けは先ほども名前を挙げた「ねお」さんですね。大人が勝手に「こういうの好きでしょ?」って作ったものを、10代の子たちは敏感に感じ取り、バリアを張ってしまう。僕らは10代女子向けのメディアもやっているので、そういう感覚がよくわかります。

売り上げ前年比を大幅に上回る推移

――このキャンペーンではどういったKPIを設定され、それに対する達成率はいかほどだったのでしょうか。

森本:KPIとしては再生数を見ることにし、Web動画全体で年内の再生数3,300万回、TikTok単体で1,000万回を目標としていました。当初、1,000万を目指そうってなったときは、「高すぎるからやめようよ」という気持ちでしたよ。それが蓋を開けてみると、公開後2週間で1,000万再生は楽にクリア、第2弾も公開しましたからさらに伸びているところです。

――「#チャレンジ」の方の反応はどうだったのでしょうか?

加藤:再生回数と同様に好調な結果でした。音源使用数は4,000を超えています。狙い通りスタンプも一緒に使って投稿している人も多かったですね。もちろんそっくりまねて投稿する人もいれば個性をだして投稿する人もいる、自由な形でブランド体験を促すことができたと思います。

――再生数をKPIとしていたとのことですが、購買への影響もあったのでしょうか?

森本:会社としては、9月25日発売のタイミングから年内、前年比130%の目標を掲げていましたが、おかげ様で、現在はそれを大幅に上回る推移となっています。動画の公開日、再生数とリアルでの購買にはかなり強い相関があると言えます。

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TikTok広告接触により購入意向も20%以上上昇

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この記事の著者

市川 明徳(編集部)(イチカワ アキノリ)

MarkeZine編集部 副編集長
大学卒業後、編集プロダクションに入社。漫画を活用した広告・書籍のクリエイティブ統括、シナリオライティングにあたり、漫画技術書のベスト&ロングセラーを多数手がける。2015年、翔泳社に入社。MarkeZine編集部に所属。漫画記事や独自取材記事など幅広いアウトプットを行っている。
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※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/11/20 09:00 https://markezine.jp/article/detail/29569

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