広告代理店・ベンダーと広告主が良い関係であるために
皆さんはじめまして、三井住友カードの福田保範と申します。何度かMarkeZineに記事が掲載されたり、MarkeZine Dayに登壇させていただいたりしていますので、少し見覚えがある方もいるかもしれません。
私は新卒から7年半、アイ・エム・ジェイというデジタルマーケティングのエージェンシーにて、クライアントのビジネス課題に対しデジタルでの解決を支援していました。そして、2015年7月に三井住友カードへ入社し、コンテンツマーケティング、ネット広告などのデジタルマーケティングを推進しております。
そんな、広告代理店やベンダー側にいて、現在広告主側でマーケティングをしている人間が「広告代理店・ベンダー視点での、広告主としてのスタンス」でそれぞれのあるべき姿を語る連載をさせていただくことになりました。
本題に入る前に、少しこの連載の経緯をお話させてください。広告代理店・ベンダーからの視点と、広告主側からの視点を組み合わせると「そうだったのか」と、点と点がつながることがあります。
広告代理店・ベンダー側にいると「なぜこんなことも広告主はやってくれないのだろう」「どうして、こんな無茶なことを言ってくるのだろう」と思うことが、きっとありますよね。一方、広告主側に来てみると、それらには多くの場合大した理由がないことがわかりました。というのも、ほとんどのケースで特に理由もなく広告主が振り回しているだけ、ということが多いからです。
つまり、広告主のスタンスと行動が変われば、お互いの仕事の質および楽しさを少しは変えることができるのではないか、と思うのです。
そこで、本連載では全3回の記事を通じて、広告代理店・ベンダー側と広告主側が楽しく結果を出せるプロジェクトメイキングができるよう、以下の視点で書かせていただきます。
1.広告主が取るべきスタンス
2.広告主が広告代理店・ベンダーと伴走していくのに必要なこと
3.自社に合った広告代理店・ベンダーの選び方、基準
主に、広告主の方に向けたメッセージですが、広告代理店・ベンダー側の方が見ても参考になる内容だと思いますので、ぜひご覧ください。
想いもないのに、提案を叩いてませんか?
前段が長くなりましたが、第1回のテーマは「想いがないなら、何も語るな。」です。
広告代理店・ベンダー側にいて非常にストレスに感じていたのが、大した想いやビジョンがないにもかかわらず、文句を言ってくるクライアントがいたことです。文句の範囲は中身や金額にとどまらず、デザインや工数、スケジュールにまで及びます。
しかしながら、やりたいことがよくわからぬまま、否定してくるのって、どうなのでしょう。広告代理店・ベンダーは、広告主の担当の想いを明文化するのが仕事ではありません。
何回提案してものらりくらりとかわされ、明確な要望がないまま、無駄に過ぎる時間。そしてそのままフェードアウト。まるで、倦怠期のカップルが、とりあえず関係をキープしているかのような感じ。
そうならないよう、広告主としてあるべき立ち回りとは、一体なんなのでしょうか。