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数字やハックの追求に愛はない クラシコム青木×プレイド倉橋 対談【後編】

人間という“優秀なシステム”を機械が追いかけている

青木:それはおもしろい。そうする中で、結果的に顧客視点の姿勢になっていくわけですね。今のお話は、Googleや各種のアルゴリズムがどう進化していったかという話に似ています。たとえば一時、SEO対策で中身のないコンテンツがあふれましたが、Googleがユーザーのニーズや利益を踏まえ、そうしたサイトは下位になるように進化させた。先にテクノロジーやシステムが一気に進化して、分析や測定の手法がある程度確立されたから、今度はそこに人間が適切に意味付けをして、人間に寄せていく段階になっていると感じています。

倉橋:Googleがどんどん人間のような判断をするようになった、ということですね。

青木:そうです、ユーザーは単に「反応を返す存在」ではなく、「中身のあるコンテンツを読みたい人間」だと理解したわけですよね。よく、人間とテクノロジーやシステムは二項対立的に語られますが、僕は人間こそ極めて優秀なシステムだと考えています。実はこういう概念的なことばかり言っているから(笑)、テクノロジーやシステムで問題は解決しないという立場だと思われがちなのですが、むしろ逆で、人間こそシステムでそこに機械ががんばって追いつこうとしているんだと思っています。

「人」に対してビジネスをするための体制が必要

倉橋:今のお話は、とても腑に落ちます。機械と同様に、企業の内部を見てみても、人を人として捉えてビジネスをするようになっていなかったりします。目標や評価などで「CVRを上げること」が最重要課題となっている。そうすると、顧客である「人」を見失ってしまいますよね。

青木:同感ですね。

倉橋:それらを抜本的に変えるのは、まず企業の中の人の意識を変えないといけないし、すごく時間がかかるとは思います。ただ、ミッションとして「データによって人の価値を最大化する」と掲げている僕らとしては、そこにやはり挑戦したい。僕らのクライアント、つまりお客様にサービスを提供する人たちが本当のポテンシャルを引き出せていない状態が、ある程度デジタルテクノロジーが普及した今現在で起こっていて、ある意味で限界を迎えていると思います。だから、ただの効率化や作業の代替に留まらず、意識を変えながら、人がより自然に人と向き合えるような支援をしたいんです。

青木:テクノロジーを通して、ってことですよね。僕は技術開発はしていませんが、うちのスタッフにテクノロジーやその他の手段を使って、ガンダムでいう「モビルスーツ」を用意したいと思っているんです。彼女・彼らがパイロットとなってモビルスーツに乗ることで、顧客への理解力や顧客を喜ばせる発想力が倍増する、みたいな。

倉橋:まさにそれです、モビルスーツ。人の力を最大化したい。誰も数字を分析するように生まれてきていないので、苦手なことではなく得意なこと、人の機微を読むとかおもてなしをする、そういったことを伸ばすようなマーケティングができるのが、理想だなと思います。

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この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2018/11/27 10:00 https://markezine.jp/article/detail/29676

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