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9割の精度で離脱ユーザーを予測!「少年ジャンプ+」の事例に学ぶ、アプリマーケティング×AIの最前線

AI活用で得られた3つの成果

 今回の実証実験のテーマは大きく3つあり、それに対する実験の内容は以下の通りだ。

1.アプリから離脱しそうなユーザーをAIで予測できるか

 アプリから離脱しそうな傾向にある(アプリへの再訪確率が低い)ユーザー群をAIが抽出する。

2.1で予測したユーザーを離脱させないことができるか

 抽出されたユーザー群を、実験群と統制群に分け、実験群にはアプリへの再訪を促すため特典付きのプッシュ通知を配信する。

3.1と2で要したコストは、従来の方法と比較して低いか

 実験群のユーザーの再訪率が統制群と比較してどの程度上昇したか、また、その際にかかったコスト(配布した特典の消費量等)が、従来の方法と比べてどの程度削減できたのかを検証する。

 まず、「アプリから離脱しそうなユーザーをAIで予測ができるか」については、予測精度は90%近くに達し、誤差を最大でも約10%に留めることができた。

 続いて「1で予測したユーザーを離脱させないことができるか」に関しては「可能である」という結論に至った。具体的には、再訪確率をもとにユーザーを分類した上で、有料のマンガを読めるコインを配布しプッシュ通知で知らせる、という施策を実施。その結果、再訪確率が低い(30~40%)とAIが予測したユーザー群の増加率を高めることに成功した。

 最後の「1と2で要したコストは、従来の方法と比較して低いか」に関して、平田氏は「AIを用いることによって、従来の方法で要するコストの85%を削減できた」とした。

 「これまでは離脱しそうなユーザーと継続するユーザーの切り分けができなかったんです。そのため、「少年ジャンプ+」では全ユーザーにコインを一定期間ごとに付与するという販促活動をしていました。しかし今回の検証で、再訪確率が低いユーザー層にコインを送るという施策が有効であり、コスト削減にもつながることがわかりました」

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人間がAIの代わりにすべきこと

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この記事の著者

大木 一真(オオキ カズマ)

モジカク株式会社 代表取締役。株式会社サイバーエージェントに新卒で入社し、Webメディア「新R25」の立ち上げにディレクター兼編集職として参画。Webマーケティングを手掛ける株式会社AViC(2022年7月に東証グロース市場へ上場)の創業期に参画し、執行役員を務める。2019年1月にBtoBサービスやSaaSの導入事例の制...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/12/19 09:00 https://markezine.jp/article/detail/29870

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