PDCAサイクルを実践し、成功の階段を上がろう
CRMをプロジェクトとして成功させる上で、もう1つ大事なのは「PDCAサイクル」だと大塚氏は言います。ご存じの通り「PDCAサイクル」とは、情報マネジメントやプロジェクトマネジメントで用いられる典型的なマネジメントサイクルで、「計画(plan)→実行(do)→評価(check)→改善(act)」のプロセスを回しながら、スパイラルで業務や製品の品質改善・向上を行っていく手法です。このサイクルが、CRMの実践においても有効だというのです。

それにはまず導入前に、どういう運用体制を組むのか。それには誰をどの部署に配置して何をさせるのか……といったことをあらかじめ詳細に決めておかなくてはなりません。そして、こうしたPDCAサイクルの運用体制を確立しておくことは、“CRMに取り組んで目標に達しなかった場合”にこそ、有効なリカバリ対策となると大塚氏は指摘します。
「実際のCRM導入の現場を長年見ていると、むしろ効果を見出せていないケースの方が非常に多いのが実態です。その背景には、冒頭でお話したような“目標を立てず漠然と進めた結果”という例もたくさんあります。しかし重要なのは、たとえ失敗しても、その失敗を合理的に検証して次のステップに活かしながらとにかく少しでも成功に近づくことなのです。そのための業務スキームが回せるようになっていれば、第一段階は成功といっても良いかもしれません」
後編では、統合顧客管理システム「Synergy!」を例に具体的な活用方法をご紹介していきます。