調査結果の報告者にとって、報告相手に分析結果や考察の要点をわかりやすくコンパクトに伝えることはとても重要なことです。そうは思いながらも一方で、大量の図表を並べ、文章で延々と説明することになり、“伝え方”で苦労をしたという経験がある方も多いのではないでしょうか。本稿では、掃除用ロボットの購入者に行った調査結果を例に、ビジュアルでデータを伝える方法の1つ「インフォグラフィックス」の一例を見ていきます。インフォグラフィックスは、セグメントやクラスターごとのプロファイル・特徴を比較する場合や、消費者の購買行動や商品使用過程などのカスタマージャーニー描写、あるいはメディア接触状況の組み合わせなどのように、多くの変数を一度に俯瞰したい場合や要点を縮約したい場合に特に有効です。
※本記事は、2018年12月25日刊行の定期誌『MarkeZine』36号に掲載したものです。
数表だけで読み解くと
まずは、調査結果を個々に見ていきましょう。図表1は掃除用ロボットの最大の購入目的、図表2は購入チャネルの割合です。
これらの2つの結果を掛け合わせ、回答者を<購入目的×購入チャネル>の4類型に分類したものが図表3です。
図表4は各タイプの回答者が掃除用ロボットの購入検討〜購買に至る間に接触した情報媒体です※1。
たったこれだけでも、瞬時に全体構造を理解して特徴を言語化するのは、かなりの熟達が必要かもしれません。さらに、実際はもっと膨大・複雑なデータになることも多いでしょう。そこで、どのような点に着目しながらビジュアル化していくと良いのか? これらの結果を、インフォグラフィックスを用いて表現していきたいと思います。
※1 実際の28個の選択肢から15個に集約して提示