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TikTok広告の活用法・効果は?セプテーニ「TikTok LAB」の研究結果から見えてきたこと

 2018年を代表するアプリとなった、UGC型ショートムービーアプリ「TikTok」。テレビCMの影響もあり、ユーザーの増加傾向が続いている。2018年7月には純広告、10月からは運用型広告のテスト配信を開始するなど、広告プラットフォームとしても注目が集まっている。TikTokの日本法人と、広告パートナーのセプテーニの担当者からTikTok広告の運用ノウハウについて話を聞いた。

TikTokが運用型インフィード広告をスタート

(写真左から)Septeni Japan株式会社 メディア本部 メディア&ソリューション部 プロデューサー 仙波 学氏/Septeni Japan株式会社 メディア本部 本部長 本間 崇司氏/TikTok日本法人 副社長 西田 真樹氏/TikTok日本法人 セールスマネージャー 今西 達夫氏
(写真左から)Septeni Japan株式会社 メディア本部 メディア&ソリューション部 プロデューサー 仙波 学氏
Septeni Japan株式会社 メディア本部 本部長 本間 崇司氏
Bytedance株式会社 副社長 西田 真樹氏
Bytedance株式会社 セールスマネージャー 今西 達夫氏

――本日は、TikTokの運用型広告とセプテーニが設立したTikTok専門のクリエイティブ研究チーム「TikTok LAB」について、お話をうかがいます。現在、TikTokにはどのような広告メニューがありますか?

西田:TikTokでは現在、「アプリ起動画面広告」と「インフィード広告」、そしてハッシュタグを用いた、「#(ハッシュタグ)チャレンジ」の3商品を展開しています。そして、この度インフィード広告において「運用型広告」を開始しました。

――他の広告プラットフォームと比べて、どのような特長があるのでしょうか。

西田:最も大きな特長は、AIを活用した広告の配信アルゴリズムです。TikTokは、AIによるコンテンツの最適配信に強みをもっています。この配信アルゴリズムを広告にも採用しているため、ユーザーの視聴嗜好に合った広告が配信される仕組みとなっています

――今回運用型広告を開始した、TikTokのインフィード広告とはどのようなものでしょうか。

今西:TikTokのインフィード広告は、アプリ起動後おすすめフィード内に配信される広告です。広告は、ユーザーが投稿した動画コンテンツに対して一定の割合で表示され、アイコンやテキストなどのCall to Action領域をタップいただくと、クライアント様のLPやアプリストアページへ遷移するという導線になっています。

唯一無二のフォーマットで若年層の心を掴む

――セプテーニは2018年10月に「TikTok LAB」を設立する(参考)など、広告パートナーとして、TikTok運用型広告に注力されていますね。インターネット広告代理店から見た、TikTokの特長・魅力とはなんでしょうか。

本間:TikTokは若年層のユーザーも多く、かつ、一人ひとりの視聴時間が長いため、有効的にリーチできる点が魅力的ですね。広告フォーマットとしては、スマートフォンの画面に合った縦型の広いクリエイティブ領域で展開する、最大15秒のショートムービーであることが特長です。また、音声がデフォルトでオンの状態なため、音によるアプローチができるというのも重要なポイントです。

――「TikTok LAB」の設立とともに、インフィード広告のテスト配信を開始されていますね。先行企業は、どのような狙いからTikTokへの広告配信を行っているのでしょうか。

仙波:現状ですと、業種問わず新規ユーザーの獲得目的が非常に多いですね。ただ、TikTokはフォーマットがユニークで、かつ広告メニューも複数あるので、訴求表現のバリエーションが非常に豊富です。こうした特長から、ブランディングを目的としたニーズも高まってきています。

「TikTok LAB」で効果的なクリエイティブを研究

――「TikTok LAB」では、具体的にどういったことをされているのでしょうか。

本間:TikTokは配信アルゴリズムに加え、クリエイティブの運用変数も非常に大きいことが特長です。「TikTok LAB」では、TikTok内でどういったクリエイティブの効果が高いのか、日々分析することで最新の傾向を掴み、その結果を反映した効果的なクリエイティブを生成できるよう、動画チームで撮影をサポートしています。

――TikTokにおいて、広告効果の高いクリエイティブとはどのようなものなのでしょうか。

本間:まさに今、テスト配信データの分析から、研究しているところです。クリエイティブには、主に「TikTok風」「広告メッセージ優先」「その中間」という3パターンがあります。どの見せ方が有効かは商材や目的によっても変わってくるので、クライアント様のご要望にあわせて、最適なクリエイティブの提案をしています。

――TikTok風のクリエイティブとは?

仙波:TikTok風とは、多くのユーザー投稿に寄せた縦型のフォーマットに最適化し、エフェクトなどを反映させたものです。TikTok風にするとCTRが高くなり、広告メッセージを強めると、CVRが高くなるという傾向があります。その反応をみながら、どのクリエイティブに重点を置くかを判断し、配信マネジメントを行います。スピード感をもってPDCAを回せるクリエイティブ体制も重要です。

今西:セプテーニさんは、私たちメディアとのリレーションにおいてもPDCAのスピードが速いですね。運用にあたってのフィードバックもたくさん寄せてくださいます。今は、TikTokの広告をよりプログラマティックにしていくべく、最適な運用プロセスを構築している途中です。その点でも、セプテーニさんのサポートは助かっています。

バリエーション豊富な訴求表現で、高い広告効果を実現

――効果的なクリエイティブを検証しながら、テスト配信を行っていったのですね。では、テスト配信の成果をうかがえますか?

仙波:テスト配信では、ゲーム・Eコマース・フリマ・人材・美容・エステなど、業種問わず様々なクライアント様にご協力いただきました。各社様、アプリダウンロード型の新規ユーザー獲得において、コストパフォーマンスが高いと評価を頂いています。

本間:TikTokは、目標獲得単価に合わせて配信する最適化機能を持つアルゴリズムが優秀であり、弊社としてもそのアルゴリズムを最大限活かせるよう意識をして配信設計を組んでいます。それにより、アプリのインストールキャンペーンにおいて、目標CPIを超える配信は基本的にありません。

 ブランディング目的の広告においても、CTRは平均で1%以上となり、期待に応えるパフォーマンスとなっています。訴求表現のバリエーションの豊富さも、広告効果に良い影響があるのだと思います。

――TikTokサイドとしては、今回のテスト配信結果をどのように捉えていますか。

今西:テスト配信では、多くのアプリサービスのお客様にご参加いただきました。やはりクリエイティブの反応が良いと配信量が伸び、獲得したいユーザー層へリーチができているそうです。結果CPIが適切で、その後のROASも良いと聞いています。

 テスト配信で意外だったのは、美容系のアプリだけではなく、男性ユーザーの多いゲームアプリなども、非常に多くインストールされたことです。これは、TikTokのユーザー層が変化してきていることを示す結果だと考えています。

「若年層中心」から「オールターゲット」メディアへ

――TikTokは、若年層、中でもF0・F1層に人気のアプリというイメージでしたが、ユーザー層にも変化が現れているようですね。2018年6月に行われた調査によると、日本における新規ユーザーの約30%が26歳以上だとか(TikTok調査)。

西田:サービススタートから1年経ちましたが、ショートムービーの視聴が多くの人に受け入れられるようになったと感じます。1日の総視聴時間も3ヵ月前は30分台でしたが、現在は40分を超えています。

 また、一般的に新しいプロダクトの立ち上がり時期は若年層が多い傾向となり、プロダクトの成長に合わせてユーザー層の変化が起きます。TikTokに関しても、その時期に差し掛かっていますね。動画を見ると、子育て世帯やスポーツ、グルメ好きの男性による投稿が増えています。各世代のデジタルネイティブが集まっているんです

今西:TikTokのユーザーは、広告に対しても、他の投稿コンテンツと同じように「いいね」やコメントをつけています。おもしろいものや、タレントが出演している広告は、その反応が高いですね。ユーザーはもはや、広告として捉えていないのではないかと考えることもできます。ひとつのコンテンツとして違和感のないクリエイティブが、良い広告となっていくのでは? と想像しています。

――先ほどでいう「TikTok風」の広告コンテンツということですね。広告プラットフォームとしての展望もうかがえますか?

今西:テスト配信から、効果が高いという評価をいただいている反面、やはり新規メディアというアドバンテージもあると考えています。そこで留まっていては、一過性のメディアで終わってしまいかねません。ですから、広告配信アルゴリズムの分析や研究、そして代理店様や広告主様からのご意見をもとに、広告プラットフォームとして進化していきたいです。

西田:ユーザーは、スクロールしながら一瞬で動画の好みを判断しています。TikTokのUIは、自分の好きなものを自分のペースで見ることができる心地よさというUXを生み出します。それに沿ったクリエイティブに、可能性があるということだと思います。

 今年は、位置情報と連動したものやEC機能を実装した広告などのリリースも検討しています。幅広いクライアント様のニーズが見込めると考えていますので、ぜひ、ご期待ください。

スピーディーなクリエイティブ制作&研究で変化に対応

――2019年もTikTokから目が離せない1年となりそうですね。最後に、広告パートナーとしての展望をお聞かせいただけますか?

本間:クライアント様の要望に添った提案をしていけるよう、3つのポイントで進化を続けていきたいと思います。1つ目は、運用型広告だけでなく、TikTok内の他の広告メニューを組み合わせたソリューションの提案スキームを充実させること。2つ目は、社内データチームと連携し運用型広告の運用自動化を進め、変化へスピーディーに対応する体制を整えること。そして3つ目は、TikTok内のトレンドを掴み、広告のクリエイティブ表現を研究することです。これらを、セプテーニでは注力していきたいと考えています。

仙波:「TikTok LAB」では、WebCMなどを得意とする社内動画制作チームと一緒に、クリエイティブ撮影のサポートも行っています。独自のキャスティングネットワークを活用し、スピーディーなクリエイティブ制作を実現していますので、TikTok広告に適した新しい見せ方の動画のご提案もできたらと思います。

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この記事の著者

マチコマキ(マチコマキ)

広告営業&WEBディレクター出身のビジネスライター。専門は、BtoBプロダクトの導入事例や、広告、デジタルマーケティング。オウンドメディア編集長業務、コンテンツマーケティング支援やUXライティングなど、文章にまつわる仕事に幅広く関わる。ポートフォリオはこちらをご参考ください。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2019/01/22 10:00 https://markezine.jp/article/detail/30063