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マーケティング=広告ではなくなっていく/西井敏恭氏が聞いた「NewsPicks」が支持される理由

2019/02/05 08:00

 オイシックス・ラ・大地の西井敏恭氏が、サブスクリプションを採用する様々な企業のキーパーソンと対談する新連載「サブスクリプションモデル大解剖」。第1回の対談相手に、ソーシャル経済メディア「NewsPicks」のマーケター 菊地幸司氏を迎えた。サービス開発当初から有料課金制(サブスクリプション)を構想に入れていたという同メディアは、現在どのようにユーザーのニーズに応えているのか。メディア運営やマーケティング体制について詳しく聞いた。

経済情報に対する潜在的なニーズに着目

(写真左)株式会社ニューズピックス マーケティングユニット マネージャー 菊地幸司氏
(右)オイシックス・ラ・大地株式会社 執行役員 CMT 兼
株式会社シンクロ代表取締役社長 西井敏恭氏

西井:まずは、「NewsPicks」の運営体制を教えてください。

菊地:「NewsPicks」は、2013年にスタートしたソーシャル経済メディアです。コンテンツに関しては、取材を行ってオリジナル記事・動画を制作する編集部と、自社・他社問わず、ビジネスパーソンが読むべき記事を取り上げて編成を行うコンテンツキュレーションチームが運営しています。

 NewsPicksでは、プロダクト設計に携わる者や編集者をはじめ、すべてのチームがユーザーのことを考えたマーケティング視点を持っています。その中で、マーケティングユニットの役割は、新規獲得系の施策の実施の他、マーケティングに関わるデータをそれぞれのチームと共有し、全社のマーケティングレベルを上げることです。

西井:「NewsPicks」には、ユーザーがお気に入りの記事をPickして、コメントする機能が実装されています。また、NewsPicks公式コメンテーターである「プロピッカー」の制度もユニークですよね。どのような経緯で、このようなサービスを開発されたのでしょうか。

菊地:我々の親会社であるユーザベースのミッションは、「経済情報で、世界を変える」です。ユーザベースでは、創業時よりBtoBのサービスとして企業・業界情報プラットフォーム「SPEEDA(スピーダ)」を提供していますが、ビジネスパーソンの意思決定を支えるためには、より彼らの生活の中に入り込んでいく必要があると考えました。そこで、その役割を担うBtoCのサービスとして「NewsPicks」が開発されました。

 「NewsPicks」が持つサービスの特徴であり優位性として、先ほど触れていただいたユーザーがPickし、コメントを投稿するという「コミュニティの価値」、ワンストップで多くの記事を読める「プラットフォームの価値」、そしてNewsPicks編集部が執筆する「オリジナルコンテンツ」の3つが挙げられますこれらはすべて、ユーザベースの創業者である梅田優祐の原体験をもとに設計されました。

 彼はかつて、会社の上司や同僚たちとニュースや経済情報について語る中で多くの知識を吸収し、自身のキャリアに活かしていったそうです。この「気になる話題を取り上げ、第三者の意見から知見を広げる」という体験が、ニュースをコメントとともに読めるという、現在の「NewsPicks」の1つの特徴につながっています。

サブスクリプションを前提にサービスを開発

西井:では、3つ目に挙げられた「オリジナルコンテンツ」についてはいかがでしょうか。「NewsPicks」には、有料会員向けの記事も多数配信されていますよね。

菊地:「NewsPicks」の構想を練っていた当初から広告モデルのみのWebメディア形態が持つ将来に対して懸念を抱いていました。そこで、しっかりとクオリティが担保された良質なコンテンツ、すなわちユーザーが率直にお金を払っても読みたいと思えるような記事を提供できれば、課金形態(=サブスクリプション)でも成立すると考えたそうです。

 現在、「NewsPicks」の有料会員には、コンテンツが制限なく閲覧できる月額1,500円(2019年1月21日時点)のプレミアム会員と、「実践者の学び場」をコンセプトにした「NewsPicksアカデミア(月額5,000円)」の2つのプランがありますが、プレミアムプランは広告事業よりも早い2014年2月から開始しています。

西井:つまり、「NewsPicks」は始めからサブスクリプションありきでサービスを開始されたんですね。広告と課金の収益比率はどのくらいですか。

菊地:現在、ユーザー会員数は約350万人で、うち有料会員数は約8万人(2018年9月末時点)です。売り上げ比率は、およそ半々ですね。

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