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DeNAのマーケティング組織を徹底解剖

DeNAが語る、テレビCM活用・統合マーケティングを成功に導く方法

 多数の人気ゲームアプリを提供し、マーケティング活動に積極的なDeNAの宣伝部にインタビューする本連載。最終回となる今回は、同社の宣伝部部長である今西氏に、テレビCMの活用方法と、統合マーケティングの秘訣について聞きました。

ゲームアプリ企業がテレビCMを出稿する理由

MarkeZine編集部(以下、MZ):DeNAのゲーム事業部内にある宣伝部が持つマーケティングノウハウを探る本連載(過去の記事はこちら)。今回は宣伝部で部長を務める今西さんにテレビCMとデジタル広告の統合マーケティングについてお話を伺います。

 数年前から、ゲームアプリのディベロッパーがテレビCMを出稿する流れが強くなっていると思います。その背景について、今西さんはどのように考えていますか。

株式会社ディー・エヌ・エー ゲーム事業本部
宣伝部 部長 今西 陽介氏

 2004年株式会社ディー・エヌ・エーに入社。入社後は、Mobage、ポケットアフィリエイト、モバオク、モバコレなど、複数のモバイルサービスの立ち上げに従事。現在は、ゲーム事業のマーケティングを執行する宣伝部で、宣伝プロデューサー、コミュニティマーケティング、デジタルマーケティング、ゲームメディアPRなどの領域を管轄。

今西:私は大きく2つの背景があると考えています。1つは、ゲームアプリディベロッパーの収益化が進んでいるということ。スマートフォンが出るまでアプリ市場というものは存在しなかったわけですが、一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会の『2018CESAゲーム白書(2018CESA Games White Paper)』によれば、日本国内のスマートデバイス(スマホとタブレット)におけるゲームアプリ市場規模は1兆3,192億円、世界で見ても3番目の市場規模と言われています。

 また最近では海外企業のアプリが日本に進出する流れも強まっており、彼らもマーケティングに大きな予算を投下しています。それだけ、ゲームアプリの市場は大きくなっております。

MZ:もう1つの背景についても教えてください。

今西:もう1つは、マーケティング自体のトレンドとして、統合マーケティングの重要性が高まっているからですね。

 昭和から平成初期の時代は、テレビCMから流れてくる情報が消費者に対し安心感や流行感みたいなものを生んでいました。しかし今はテレビCM以外のオフライン広告、オンライン広告も含めて「ストーリー性」を持って、点ではなく線として1つのメッセージを丁寧に伝えるマーケティング施策をしないといけません。でないと、選択肢が多くなったお客様の可処分時間を自社のサービスへ移動させるのは難しいと思ってます。

 我々も、統合マーケティングの重要性を感じており、現在テレビなどのマス広告とデジタル広告の効果を最大化する方法を模索しています。

重要なのは、期待値を超えること

MZ:御社でも積極的にテレビCMの活用を進めているとのことですが、CMのクリエイティブを作る際に意識している点はありますか。

今西:一番意識するのは1.「誰に」2.「何を」3.「どのように」伝えるかを、順番に考えることです。テレビCMを検討する際に「人気のタレントを起用する」「世の中の流行に乗る」といったアイデアが出てくることもありますが、そのような「どうやって」というディテールの話が先に来てしまうと、結果はついてこないと思っています。

 仮に起用したタレントさんに影響を受けてインストールされたとしても、ターゲットとマッチしたゲーム内容でなければお客様から高い満足度は得られないと思います。場合によっては、アプリのレビューやカスタマーサポートに厳しいご意見を頂くことが増える可能性もあります。

 我々はまず、どういうお客様にこのゲームをプレイしてほしいのかはもちろん、マーケティング戦略ターゲットがダウンロードした時に期待することなどを踏まえてメッセージングを考えます。そして、そのメッセージは広告だけでなく、PRやゲーム内容にも反映されている必要があるので、開発エンジニアや広報など、関わる全ての人が同じメッセージで違和感なく理解することも重要です。

 そうすることで、お客様とゲームの魅力にギャップが起きないようにしています。

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/02/04 07:00 https://markezine.jp/article/detail/30179

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