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DeNAのマーケティング組織を徹底解剖

DeNAが語る、テレビCM活用・統合マーケティングを成功に導く方法

テレビCMにおけるKPIは?

MZ:テレビCMに出稿していて、一番悩ましいのが効果計測の部分だと思うのですが、DeNAさんではどのような指標を見ていますか。

今西:指標は30項目近くあるんですが、その中でも特に重視しているのは、以下の3つです。

1.新規ダウンロード数

2.既存のお客様のアクティビティ率

3.離脱したお客様の復帰率(アンインストール、30日以上起動していない人など含む)

 一見、テレビCMを見ると1が中心になっているように見えますが、2と3の部分も重要です。特に一度アプリを離脱したお客様は、テレビCMやデジタルマーケティングで、心を動かすようなメッセージをお伝えしないと、再度アプリを起動してもらうのは難しいです。

MZ:ちなみに、これらの数字の計測は、テレビCMを出稿している時期としていない時期の相関で測っていくのですか。

今西:そうですね。加えて、行っていることが2つあります。1つはダウンロード経路のリサーチです。何を見てダウンロードしたかをリサーチ会社を使って聞いて、参考にしています。

 もう1つは、デジタル広告のパフォーマンスを使った検証です。デジタル広告を通じてダウンロードしたかどうかは確認できるので、増加したダウンロード数からその数を引いて数字を追っています。

 もちろん、最終的には各施策でのROASを見ることが大事だと思いますし、上記の結果だけを見て判断するのも違うため、そこは冷静に見ています。

 そして、これらの数字より大切なのは、お客様の熱量ですね。各施策の影響によりお客様の数が増えると、中にはTwitterやInstagramなどで会話をするお客様も出てきます。この会話の輪をどのように拡大していくか、ということがこのタイミングでは非常に重要なことだと思ってます。いわゆる、コミュニティマネジメントの領域ですね。

統合マーケティングに必要なこと

MZ:ここまでテレビCMが中心のお話でしたが、ここからは統合マーケティングについてお伺いします。これまで御社が行ってきた施策の中で、上手くいったものを教えてください。

今西:最近統合マーケティングのトレンドと言える施策かもしれませんが、テレビCMと並行してTwitterなどの拡散しやすいメディアにスピンオフ動画を流し込むといったことは行っていますね。これだと、デジタルでもテレビCM並みのリーチが取れるケースもあり効果的だと考えています。

 年末年始に放映されていたゲームアプリのCMも、ぶら下がり部分に「10連ガチャ無料」などインセンティブ訴求をされてる会社様も多かったように思っています。

 弊社でも過去にダウンロード促進に特化しようと考え、CMの最後に「○○もらえる!」といったメッセージを使うことを実践しました。このような施策を行う企業は年々増えています。しかしその結果、お客様からするとすべて同じに見えてしまうようになってしまったので、現在我々はこのようなパターンのクリエイティブはできるだけ避けています。

MZ:そのほうが、ダウンロードには寄与するように思えるのですが、現在はほとんど行っていないのですね。

今西:もちろん、ダウンロードにはつながりやすいので、我々も目的に応じてそういった訴求を行うこともありますが、基本的には同じ1秒・2秒を使うのであればタイトル自体の魅力を伝えることに、その時間を使いたいと思っております。

 あと、統合マーケティングで重要なのは、メッセージラインの統一もそうですが、お客様にストーリーを提供してつながることだと考えています。

 ゲームアプリは完成されたものを提供するわけではなく、定期的なアップデートを繰り返しながら、お客様と運営で一緒に作っていくものだと考えています。そのためにはゲームと運営に共感や理解をしてもらう必要があるので、そのあたりも意識したメッセージを考えています。

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ゴールは「うんちくを語れる状態」

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/02/04 07:00 https://markezine.jp/article/detail/30179

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