LINEが昨年12月より提供開始した「SHOPPING GO」は、実店舗での商品購入時にLINE内に表示される専用のバーコードを読み取ることで「LINEポイント」が付与されるサービスだ。バーコードは、LINEウォレット内にある「マイカード」と連動している他、「LINEショッピング」のオンラインショップページでも表示される。現在位置に応じて「LINEポイント」がもらえる実店舗を検索することもでき、先日、サービス開始からわずか1ヶ月で、会員登録数が100万人を突破した。
ビックカメラグループでは、2018年の12月21日から「ビックカメラ」、「コジマ」、「ソフマップ」の全店舗で「SHOPPING GO」の導入を開始。2018年12月31日までの期間限定で通常時の2倍の「LINEポイント」を付与するキャンペーンを展開した。導入の狙いと成果について、ビックカメラの松本真氏とLINEの藤原俊介氏に話を伺った。
店舗の変わらぬ強み
――まずビックカメラグループのビジネス概況について、EC化が進む中で店舗の役割はどのように変化しているのでしょうか。
松本:グループ全体でECの比率は伸びています。ECの存在感は高まるものの、一方で店舗の価値も重要であることには変わりません。利便性からECで購入されるお客様も増えていますが、やはり店舗で色味や手触り、部屋に置いたときのイメージを確認したいというニーズはあります。また、情報が溢れているが故に、自分に合う製品がどういったものなのか専門の販売員に相談して確かめたいという方も多いでしょう。
ショールーミングだけの流れではなく、ネットで注文してお店でピックアップされるお客様も増えていますし、ECと実店舗それぞれの強みがあるというわけです。私どもとしては、EC・店舗関係なく、自然に楽しくお買い物をしていただける環境を整えていければと考えています。
――「SHOPPING GO」導入のきっかけとは?
藤原:「ビックロ」の取り組みなどからもビックカメラさんは家電量販店の中でも新しい取り組みに積極的な企業というイメージがあります。「LINEポイント」がもらえるショッピングサイト「LINEショッピング」にも出店していただいており、好調な売り上げが続いています。「SHOPPING GO」はポイント還元の効果で店舗でも売り上げが上がるのかという実験的な意味合いも強く、そういったことに積極的に挑んでいただけるのではないかと、お声がけさせていただきました。
松本:LINEさんとはスマートスピーカー「LINE Clova」の取り扱いなどでお付き合いがありました。さらに取り組みを広げていこうというタイミングで送金や決済をLINEアプリで行うことができる「LINE Pay」の導入や「SHOPPING GO」について家電量販店として最初のパートナーに、と熱いオファーをいただいたのがきっかけでした。