ヤフーは、企業や自治体の持つデータとヤフーのビッグデータを掛け合わせて分析し、そこから導き出されるインサイトを提供するデータソリューションサービスを10月から開始する。
同社は検索やメディア、ECといった領域のビッグデータを保有しており、そのデータとAI技術を用いて、「Yahoo! JAPAN」のサービス改善を続けている。近年は、ECサービスの改善にメディアのデータも使うなど、異なるサービスのビッグデータを掛け合わせて分析することで、より大きなサービス改善を見込めることがわかってきた。
同社は、このようなデータ活用を社外に対しても広げることで、新たな価値を創出できると考え、企業間ビッグデータ連携の事業構想「データフォレスト構想」を策定。企業や自治体と実証実験を進めてきた。こうした動きを踏まえ、同社は今回、同サービスの立ち上げに至った。
具体的には、次の3つの機能を提供する。1つ目の「DATA FOREST INSIGHT People」では、同社のメディア事業のデータなどを基に、生活者の興味関心を可視化する。人気キーワードランキングといった俯瞰的な情報から、特定キーワードの「関連語」「時系列推移」「性年代などの属性分布」といった詳細情報まで分析可能。商品・サービス企画のための市場調査ツールとして活用できる。
2つ目は、エリア特性や人流を可視化する「DATA FOREST INSIGHT Place」。同社の位置情報データなどを基に、特定エリアにおける生活者の実態や動きを、まとめて可視化する。指定したエリアにいる人々の属性・特徴や流出入人口の推移、地域・スポット間の人流規模などを把握できるほか、性年代などの属性分布に加え、興味関心も紐づけて可視化できる。街づくりやイベント運営、出店計画などに利用可能だ。
3つ目は、同社が保有するビッグデータを活用したレコメンドエンジン「DATA FOREST ENGINE Recommend」である。顧客が提供する行動履歴データを用いることで、大量の情報の中からユーザーに適した商品や記事などを提示。メディアからECまで、幅広いサービスでの活用が想定されている。
これらの機能においては、顧客のユーザーIDとYahoo! JAPAN IDを連携することにより、高精度な分析が可能に。なお、IDの連携にあたっては、顧客のユーザーの同意が必要とされている。
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