「フリマ」利用者の実像を可視化
ここまで、「フリマ」の利用状況を見てきたが、「フリマ」利用者の実像により迫るため、図表3に示す「フリマ」利用者のプロファイリングを通して、利用者の実像の一端を明らかにしたい。
プロファイリングでは、「フリマ利用者」と「EC利用者」・「フリマ利用者」と「オークション利用者」の消費意識・消費行動をそれぞれ比較することで、フリマ利用者の実像に迫りたい。
まず、「消費意識」では、対「c.EC利用者」・「e.オークション利用者」共通で、「a.フリマ利用者」の特徴として以下の点が挙げられる。
- 「最新技術」
- 「ワクワクする新機能」といった新しいものへの興味・関心が高い
- 「モノをシェアして利用すること」に抵抗が少ない
- モノを利用して、「手間・時間を省いて生活を効率的にする」意識が強い
- デザインの良い商品・サービスを選ぶ事への意識が強い
次に、「スマートフォンでの消費行動」では、対「c.EC利用者」・「e.オークション利用者」共通で、「a.フリマ利用者」の特徴として以下の点が挙げられる。
- クーポンを入手し、お店や飲食店で買い物をした
- お店での買い物中に、スマートフォンで情報(口コミ・評価、商品情報、他での価格、レシピ等)を調べた
- 購入した商品やサービスを写真にとって、Webサイト・SNSにのせた
以上より、新しい技術・機能の活用に積極的で、賢く情報を収集・活用・発信しながら消費活動をしているフリマ利用者の実像が浮かび上がってくる。また、シェアリングへの抵抗がないからフリマにも抵抗なく、手間・時間を省く効率化志向が高いゆえに、入札から落札まで一定時間を要する「オークション」ではなく即決できる「フリマ」を利用している姿もうかがえる。
※3(図表3) 生活者360°Viewer消費行動や生活意識・価値観、メディアの接触状況などインテージ内にある多くのデータ(約15,000項目)をデータベース化。
データから浮かび上がるターゲットの実像
「フリマ」は、“手軽”に“身近なアイテム”を売買できる、双方向型電子商取引サービスとして、若年層中心に利用されており、「フリマ」利用者の実像は、消費意識、行動にもデジタルが浸透している。
また、「フリマ利用者」における消費意識・消費行動の特徴は、比較的モノをシェアすることに抵抗がなく、情報の発信も積極的であることから、「モノ」・「情報」を問わず他者と共有する意識を持ち、デジタルを積極的に活用して、価格・手間等の点でより良い消費の体験を求める消費者であるといえる。
なお、今後もデジタルの商取引が拡大することは自明だが、生活者がどのようなデバイスからどのようなサービスをどう利用するかは刻々と移り変わっていくことだろう。それゆえ、定点的な意識調査、「デジタル統合視聴率」のような、デジタル市場全体を俯瞰できる実態データを活用して、意識と行動の両面を捉え、仮説・検証を繰り返してマーケティング活動もアップデートし続けることが必要だと思われる。
▶調査レポート
「浸透が進むフリマサービス 生活者の利用実態から見えたEC、オークションサービスとの違いは?」(Intage 知る gallery)
