単なる広告塔ではなく「共同開発者」に
MTGは「本物」を目指すためにさらなる改良が必要だと考え、世界でも有数のサッカー選手であるクリスティアーノ・ロナウド氏にもアドバイスを求めた。

「ロナウド氏からも世界的なアスリートの視点から様々なアドバイスをもらいました。森谷名誉教授にも確認しながら、トップアスリートの声も反映した開発に取り組んだのです」
ロナウド氏は一見SIXPADの広告塔としてキャスティングされただけのように見えるが、実際には開発段階から深く関わっていた。松下氏とディスカッションを交わしながら製品をブラッシュアップしていったため、SIXPADのプロモーションでロナウド氏にコメントしてもらう際も、すべて自身の言葉で語ってもらっているという。
「2015年7月7日にSIXPADをローンチした際、ロナウド氏に来日してもらいました。どんなメディアに出演するときでも一貫して自分の言葉でSIXPADの魅力を語ってくれました。プロトタイプから体感して、ともに開発してきた彼だからこそできることです」
ローンチ後、ロナウド氏を軸にマス広告を展開しプロモーション活動を行った。その一方で、エビデンスを証明するため、京都大学と中京大学と連携して学会発表も続けている。
「私たちの製品は、華やかさとエビデンスがしっかり両立していなければならないと考えています。当社のあらゆる製品は生体効果を期待されます。逆に、効果を感じていただけないと信用を失ってしまう。ですのですべての製品は、効果が出るというエビデンスを持てるまでローンチしません」
SIXPADは、企画段階より現在に至るまで、417名から112項目におよぶデータを取得し、9件の学術発表や5大学2病院との共同研究など、エビデンス取得に積極的に取り組んでいる。2018年7月には、アイルランドのダブリンで開催された電気生理に関する世界的な学会「ISEK(国際電気生理運動学会)」でも研究成果を発表。2019年3月には、高齢者に対しての骨格筋電気刺激の研究が国際ジャーナルにも掲載された。本物志向を追求することは、骨格筋電気刺激の有用性・信頼性を高めることにもつながる。
愛用者に良さを語ってもらうのが一番
プロモーションにおいても、「本物」であることのこだわりは捨てない。SIXPADでは、ロナウド氏だけでなく冒険家・プロスキーヤーの三浦雄一郎氏やプロサッカー選手の槙野智章氏らなど、多くの現役アスリートを起用したクリエイティブを展開。
2018年11月に新発売されたシリーズ初の女性向け製品「SIXPAD Bottom Belt」のブランドパートナーにはモデルの菜々緒氏を起用した。いずれの人物も、「元からSIXPADを愛用していた」から提携したという。

「約2年前に、菜々緒さんが自身のInstagramにSIXPADを使用している写真を投稿してくださったんです。すると、投稿直後に当社ECの女性購入比率も急上昇した。分析してみると菜々緒さんの投稿経由であることがわかり、我々からブランドパートナーの依頼をさせていただきました。私たちは、単なるイメージキャラクターではなく、自分の言葉で感動を伝えていただける方とプロモーションに取り組むようにしています」