アドビ システムズは、2019年の事業方針を説明する事業戦略説明会を実施。マルケトとの統合が3月1日付けで完了し、マルケトの代表取締役社長アジア太平洋日本地域担当プレシデントであった福田 康隆氏が、アドビの専務執行役員 マルケト事業統括として、リーダーシップチームのメンバーに加わったと発表した。
マルケトのリード管理&アカウントベースドマーケティング技術が加わる
同説明会では、はじめに同社 代表取締役社長 日本およびAPAC(アジア太平洋地域)代表のジェームズ マクリディ氏が登壇。近年の市場環境を概説した上で、「企業はデータを取得するだけでなく、そこからインサイトを得て、アクションをとり、すべての顧客にパーソナライズされた経験をもたらさなければならない」と強調した。
この課題に対し「アドビのソリューションによって、あらゆる規模のBtoBおよびBtoC企業が、インパクトのあるデジタルエクスペリエンスを展開できるようになる」とマクリディ氏。同社の多岐に亘るソリューションに、マルケトのもつリード管理およびアカウントベースドマーケティング技術を加えた価値を提供していく。
また、マクリディ氏は、マルケトに対し「日本において、高い評判を獲得し、顧客とよい関係を結んでいる企業。それを継続してほしいですね」と期待を示した。
デジタルエクスペリエンスに対する伴走型の支援
次に登壇したのは、同社 専務執行役員 鈴木 和典氏。はじめに、国内におけるデジタルエクスペリエンスの市場規模が、年々拡大していることを示した。
「デジタルにおける顧客体験を向上させることは、多くの企業で経営課題であると認識されています。我々は2021年まで、この領域の2桁成長が続くとみています」(鈴木氏)
しかしこの領域では「単に製品やソリューションを提供するだけでは、成果を挙げるのは難しい」と鈴木氏。同社では、「アドビカスタマーソリューション」により、導入前のコンサルティングからサポートまで、180人態勢で伴走型の支援を行っている。同社は、この領域をさらに強化していくという。
アドビとマルケトは「最高の組み合わせ」
さらに、マルケト 代表取締役社長 アジア太平洋日本地域担当プレジデント 福田 康隆氏が登壇。マルケトが2014年の日本法人設立から5年で、社員が100人、ユーザー会の規模が2,000人まで成長したことへの感謝を伝えた上で、統合後の抱負を次のように述べた。
「マルケトがアドビの一員となることについて、『マーケティングオートメーション領域だけでなく、企業のデジタルトランスフォーメーション全体を支えていくための、最高の組み合わせ』との声をもらっています。この期待に応えるべく、アドビの一員として頑張っていきたいです」(福田氏)
なお、アドビとマルケトの連携に関するロードマップは、3月末に米国で開催される「Adobe Summit」で明らかにされる予定だ。
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