顧客の「欲しい」が見えるように
MZ:今回の施策によって得られた成果を教えてください。
前川:認知獲得に関しては狙い通りの成果が出ました。プロモビデオもウェザーニュースとのスポンサーシップも再生率が3割を超え、一定のリーチ・ブランドリフトも獲得できました。また、特に良かったと思うのが「イソジンのど飴を購入した」というツイートが500件近く上がっていた点です。当社のようなメーカーだと、お客様の生の声を直接聞く機会は多くありません。今回実際の生活者の皆さんからいただいた声は大変貴重な資産になります。
広告により購買行動につながったことも可視化されたので、Twitterが有効な手段だと社内でも認識されました。また、当社がサッカーチーム横浜F・マリノスのスポンサーなので、発売前からサポーターと交流していたのもあり、Twitter上では大きな盛り上がりが見られました。
生活者の生の声が小売店の棚を動かす
MZ:最後に、今後のマーケティングにおける展望とその中でTwitterをどう活用していきたいか教えてください。
前川:イソジンのど飴に関しては、風邪やインフルエンザが流行する時期以外も売れる商品にしたいですね。今後はフレーバーの増加やシーンに合わせた食べ方の提案を行いたいと思っています。そういった展開を通じてイソジンのど飴ユーザーが増え、最終的にうがい薬のユーザーも増えていくのが理想です。
その中で、Twitterは今後もプロモーションに使えるプラットフォームだと感じています。利用者のコンディションや感情の動きがわかるので、モーメントを捉えたアプローチを心がけます。
また、小売店に対してデジタルの波及効果を伝えていかなければいけないとも感じています。メーカーの場合、デジタルプロモーションで小売店の棚を取れるかどうかは常に議論されているポイントだと思います。
今回プロモーションを実施した際、店頭にイソジンのど飴がない(見つからない)という声を数十件いただきました。実際行ったのに買えなかったという声は、お客様・小売店・メーカーすべてのステークホルダーにとって損失でしかありません。このような声は小売店にしっかりフィードバックしていきます。
弊社が扱っている商材カテゴリでは、デジタルはマスのように棚取りの貨幣にはなりきれておらず、デジタルの効果を信じ切れない小売店担当者もいらっしゃると思うので、売上につながるということを継続的に証明していかなければならないと感じています。