コンテンツマーケティングの認識、合っていますか?
Faber Companyは、AI/自然言語処理技術を活用したSEOプラットフォーム「MIERUCA(以下、ミエルカ)」を提供するなど、企業のSEOやコンテンツマーケティング支援を行っている。同社でマーケティングを担当するスピーカーの月岡氏は、会場内における「コンテンツマーケティングの認識」を合わせるところからセッションを開始した。
「コンテンツマーケティングを始める際には、まず関係者間で『コンテンツマーケティングに対する認識』を合わせることが重要です。なぜなら、コンテンツマーケティングとコンテンツSEOが混在して語られているケースが多いためです」(月岡氏)
コンテンツマーケティングを行う際、マーケティングファネル毎に「効果的なコンテンツ」は変わってくる。たとえば、認知ファネルにはネイティブ系広告や、興味喚起・話題化を狙ったコンテンツ。続く、興味・関心ファネルには、情報収集のコンテンツ。そして、比較・検討ファネルには、ケーススタディや診断、シミュレーションなどの自分ゴト化コンテンツ。購入・申し込みファネルには、クロージングの役割を果たす、事例や口コミ、価格などのアプローチが適切、といった具合だ。
ファネル全体へのアプローチを指して「コンテンツマーケティング」と認識する人もいれば、認知領域のみや、情報収集領域に強いコンテンツSEOだけを切り出して「コンテンツマーケティング」と認識している人もいる。
月岡氏は、「最初の段階で、どのような目的でコンテンツマーケティングを行うのかを整理し、関係者間で認識を合わせるべき」と強調し、コンテンツマーケティングをスタートする前のポイントを、次のように話す。
「どんなユーザーに、何のメッセージをどのチャネルで伝え、どのような態度/状態になってもらいたいかを考える必要があります。手法のHowではなく、Who/Why/Whatが大切です」(月岡氏)
10年後のビジネスを考え、広告チャネルをシフト
会場内の「コンテンツマーケティングの認識」を揃えたところで、続いて、Webだけでなく、店舗やテレビCMなどのコンテンツ制作や、Web広告・SEOなど、「ストーリー」のある総合的な施策展開で成果をあげた、DoCLASSE(以下、ドゥクラッセ)の事例が紹介された。
2018年に創業10周年を迎えたドゥクラッセは、40・50代女性をターゲットとしたアパレルブランド。新聞広告をメインにマーケティングを展開し、販売チャネルは、カタログ通販・ECを中心に、近年では実店舗の出店にも積極的だ。
そんな同社は、2018年の11月から12月にかけて、注力商品のコート「マジカルサーモ」のテレビCMを、関東と関西圏で実施した。これまで新聞広告を中心としてきた同社が、なぜテレビCMを採用したのか。月岡氏は、次のような課題があったと明かす。
「いくつかの記事でも語られていますが、新聞広告で効果は出ていたものの、ドゥクラッセのメイン顧客の年齢層が上昇していることが課題だったようです。そこで、10年後のビジネスや顧客基盤の構築を考え、広告チャネルをWebやテレビにシフトし、本来のターゲット層へアプローチする戦略を立てた、とドゥクラッセの藤原氏に聞いています」(月岡氏)