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サントリーのデジマを支える組織整備&人材育成とは?黎明期からの担当者が15年間の取り組みを披露

2019/04/23 07:00

 2019年3月7日に行われたMarkeZine Day 2019 Springに、サントリーコミュニケーションズの室元隆志氏が登壇。同氏は、同社のデジタルマーケティング黎明期から15年に亘り、組織の整備と人材育成に携わってきた。その経験から、体系的なデジタル人材育成を展開した理由や重視すべきスキル、社内全体へデジタル思考を浸透させる取り組みについて語った。

目次

15年に亘りデジタル人材育成に従事

 「サントリーに学ぶ!デジタル未経験の社員が次々と活躍する人材づくりと組織のあり方」と題された本セッション。同社のデジタルマーケティング黎明期から15年に亘り、組織の整備と人材育成に取り組んできたのが、サントリーコミュニケーションズの室元隆志氏だ。

サントリーコミュニケーションズ株式会社 執行役員 デジタルマーケティング本部長 室元 隆志氏
サントリーコミュニケーションズ株式会社 執行役員 デジタルマーケティング本部長 室元 隆志氏

 室元氏は、本セッションのアジェンダを次のように挙げ、「弊社では、デジタルスキルがゼロだった社員も活躍しています。どのように育成を進めているのかを、共有していきます」と話を進めた。

・なぜ組織的なデジタル人材育成が必要か
・デジタル人材育成に必要な要素はなにか
・デジタル専門部署と他部門のデジタル人材育成

「半年で育てなければ間に合わない」組織的な育成に踏み切ったわけ

 「サントリーのデジタルマーケティングの変遷は、私の経歴そのものです」と話す室元氏。自らのキャリアを振り返りながら、「組織的なデジタル人材育成が必要である」と思い至った2つの原点を語った。

 1988年にサントリーへ入社した室元氏は、大阪宣伝部配属後、ビールの開拓営業を経て、2000年にシステム部へ異動。デジタル未経験の状態から、Webマーケティング職のキャリアをスタートさせた。

 しかし、デジタルの基本を身につけ、会社の期待に応えられるようになるまでに、かなりの時間を要したという。また、各事業部でもデジタルへの理解が進んでいないため「商品のWebサイトを作りましょう」と提案をしても、話が噛み合わないという問題があった。

 室元氏は「この経験が、人材育成をしなければならないと感じた原点のひとつです」と振り返る。

 それ以降、デジタルマーケティングの領域の広がりに合わせて様々な部署へ異動しながら、デジタルのビジネス活用を率いていった。

 そして2017年には、新たに設立されたデジタル専門の部署「デジタルマーケティング本部」へ。配属されたメンバーは数十人と、会社からの期待が感じられた一方、新たな課題も出てきたという。

 「実は、メンバーの3分の1がデジタル未経験でした。しかし、事業部からの要請は増え続けており、半年後には皆が一通りの仕事を回せるようにならなければ、とても間に合いません。そこで、人材育成を組織的に行うスキームの設計に着手したのです」(室元氏)

 これが、組織的な人材育成の必要性を感じたもうひとつの原点だった。

「目的の明確化」で人材育成への理解を得る

 室元氏のもとには、他の企業からもデジタル人材育成に関する悩みが寄せられる。相談を受けていると、「なぜデジタル人材育成をするのか、明確になっていない」ことが、行き詰まりの原因ではないかと感じるそうだ。

 さらに、現場の忙しさと人材育成にともなう投資の費用対効果が不明瞭であることが、人材育成の障壁になりやすいと語る。室元氏自身も、同様の理由により、人材育成への投資について反発された経験があった。

 「現場からは、『こんなに忙しいのに、今研修をやるのですか』と疑問の声が上がりました。しかし別の見方をすれば、『スキルが低いから忙しい』のです。まずはスキルを上げて、しっかりと仕事を回せるようになることが大切だと考えていました」(室元氏)

 そこで「人材育成は、個人の成長と組織成果の拡大のために行う」とその目的を明確化し、経営層や現場社員を説得していった。

室元氏が定義する「組織成果の拡大」
室元氏が定義する「組織成果の拡大」

 特に、理解されにくい「組織成果の拡大」については、「仕事の質とアウトプット量の掛け合わせ」であると定義。「プロフェッショナル化と業務効率化によって、仕事の質と量を向上させ、チャレンジングでイノベーティブな仕事をしていこう」と呼びかけて理解を得ながら、研修を始める足場固めを行っていった。

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