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LINEマーケティング活用最前線(AD)

LINEのプランニングコンテストで二冠に輝いた電通アイソバーの企画&プレゼン力

 LINE主催のパートナー企業向けプランニングコンテスト「LINE Biz-Solutions Planning Contest 2019」が開催された。花王とハウス食品グループ本社がRFP提供し、応募のあった29社60プランのうち電通アイソバーの2チームが最優秀賞および優秀賞を受賞した。その企画やプレゼンは、どのようなものだったのだろうか。

担当者が明かす!LINEを活用したCXデザイン成功の秘訣とは?

LINEを活用したCX(顧客体験)デザインについて、最新の事例を交えて紹介するセミナーを6月28日(金)に電通アイソバーとLINEが開催。セミナーでは、ロート製薬、他企業が各社の取り組みを紹介します。お申し込みはこちらから。

・事例に学ぶ LINEを活用したCXデザイン ~ユーザーに使われるサービスの作り方~

LINEのサービスを活用したプランニングコンテスト

 2019年1月に「LINE Biz-Solutions Planning Contest 2019」が開催された。企業が抱える生活者とのコミュニケーション課題を解決する、LINEを活用したコミュニケーション手法を幅広く募集するパートナー企業向けプランニングコンテストだ。これが初の開催で、花王とハウス食品グループ本社がRFP(提案依頼書)を提供。29社から計60プランの応募があり、1次審査で花王とハウス食品グループ本社、それぞれ5つのプランを選出。2019年1月24日に最終選考が行われた。

 最終選考では各チーム15分のプレゼンと5分の質疑応答という持ち時間で企画を紹介し、その日のうちに審査結果が発表された。最優秀賞を受賞したのは、花王のプランを提案した電通アイソバーの「安東ウエス岩本」。そして、優秀賞はハウス食品グループ本社のプランを提案した同社の「チームアイスバー」が受賞した。ダブル受賞を果たした電通アイソバーの特徴を、同社の冨田正喜氏はこう話す。

電通アイソバー株式会社 エクスペリエンスマーケティング1部 アカウントディレクター 冨田正喜氏
電通アイソバー株式会社 エクスペリエンスマーケティング1部 アカウントディレクター 冨田正喜氏

冨田:私たちは、コミュニケーションによってもたらされる様々な体験を、顧客視点でデザインしていく集団です。それにより、顧客体験(CX)の質が上がり、ひいては企業の価値向上につながっていくことを目指しています。現在私たちは「We are the CX design firm.」というビジョンを掲げています。なぜかというと、ユーザーが認知から入って最終的に購買してファンになるというような既存の行動モデルが、顧客行動の複雑化によって、今は一概に言えなくなってきたと感じているからです。以前からCXに力を入れていたのですが、そうした背景もあり前面に出すようになりました。

 同社では、「360degree×365days as 1 customer」というメソッドを軸にプランを展開している。

冨田:360度あらゆるタッチポイントにおいて、365日多様なフェーズの顧客に対して一人ひとり最適化したコミュニケーションを目指しています。それらを実現していくために、オムニチャネル化する「タッチポイント」、データに従って顧客に最適化した体験を提供する「プラットフォーム」、それぞれのタッチポイントでの顧客行動によって発生する「データ」の3つの要素を正しくリンクさせることが大切だと考えています。これらを全部横串でやろうとしても、担当する会社が分かれており、困難な場合が少なくありません。そこを弊社では1チームでやれる組織を組み上げています。今回のプランニングコンテストにおいても、一つのチーム中にストラテジーやUX、テクノロジーなどを理解している多様な人間が集まったことで、顧客視点に立ち、質の高いCXデザインができたのではないかと自負しています。

LINEありきで考えないようにコミュニケーションを設計

 花王のプランで最優秀賞を受賞したのは、安東咲氏と上江洲佑布子氏らによる「安東ウエス岩本」。今回のプランニングコンテストには、どのような思いを持ってのぞんだのだろうか。

安東:LINEの戦略プランニングから開発まで一貫した体制がある弊社だからこそ、本領発揮ができるはずだと思い、応募しました。それに、こういったプランニングコンテスト形式でのクライアントとの出会いが、ものすごく良いなと思いまして。通常のビジネス上の出会いだと、どうしても固くなってしまいます。しかしコンテスト形式であったことにより、柔らかい頭でプランニングできました。

電通アイソバー株式会社 ビジネスデザイン部 シニアストラテジスト 安東咲氏
電通アイソバー株式会社 ビジネスデザイン部 シニアストラテジスト 安東咲氏

 花王のRFPで求められたのは、ヘアケア製品の新しいマーケティング施策だった。どのようにプランを詰めていったのだろうか。

安東:LINE主催のコンテストではありますが、LINEのサービスありきで考えないように気をつけました。そうすると、どうしてもLINEの手法からかき集めるという発想になってしまうからです。まずは、RFPに書かれたビジネス課題をどうやったら解決できるのかということから考え始めました。そして次に、LINEの活用方法を検討してきました。そのために、ユーザーは普段どういう行動をして、どういうペインポイントがあり、何を提供したら態度変容が起こるかを徹底的に考え抜きました。

上江洲:シャンプー・コンディショナーなど購買関与度が低いカテゴリーは店頭の棚が戦場です。その課題に対し、店頭の棚を戦いの場にしない、という戦略でLINEを活用した施策を提案しました。また、最終的に友達にシェアするところまでLINE上で完結し、それ自体をサンプリングにするというところがミソです。

電通アイソバー株式会社 エクスペリエンスデザイン2部 シニア コミュニケーション デザイナー 上江洲佑布子氏
電通アイソバー株式会社 エクスペリエンスデザイン2部 シニア コミュニケーション デザイナー 上江洲佑布子氏

安東:SNSが浸透し、情報の消費スピードやコミュニケーションスピードがどんどん早くなっている現代では、ブランドや企業とのコミュニケーションのあり方は変わってきていると実感しています。ユーザーの中にブランドの概念を蓄積するには、コミュニティの生成を促したり、コミュニケーションを発生させて仲間ごと化する仕組みが重要だと思い、それを実現する施策を盛り込みました。

多角的観察×脱・定説×実現可能性

 こうしたプランに辿り着くまでには、店舗調査やユーザー調査なども行ったという。

安東:私たちはいつも企画立案の際、「多角的観察(徹底的に現状を知る)」「脱・定説(あたりまえを疑う)」「実現可能性(フィクションで終わらせない)」の3つを大切にしています。まず店頭へ行き、現場調査を行いました。そしてユーザーのデプスインタビューも行い、そこからカスタマージャーニーを引いて、どういう風にユーザーが行動しているのかを可視化しました。こうして多角的観察を行い、定量・定性双方の情報から、仮説を立てていきます。また、脱・定説のために、RFPの対象となるヘアケア製品の定説を思いつく限り書き出しました。「当たり前だと思っていること」を疑い、その仕組みを変えることで課題が解決できるのではないか? と考えます。また、そうすることで企画はジャンプします。ジャンプするだけでなく、さらに、そのアイデアの実現可能性があるのかも検討しながら形にしていきました。

上江洲:実現可能性を高めるために、花王さんが既に持っている資産をどうやって活用するかも考え、それがかなりポイントとなっています。

 プレゼンでの見せ方も、花王やLINEから大きく評価された。

上江洲:プレゼンは、ユーザーインタビューの結果を紹介するところから始めました。全体の流れにストーリー性を持たせ、エモーショナルに伝わるよう心がけました。そして、実際にその企画を行った際に、LINEというプラットフォームの上で何を行うのかをイメージできるよう、UIのプロトタイプを作って動画でお見せしました。徹底的にユーザー目線で語ることで、ユーザー一人ひとりの気持ちがどのように動き、そこからどう行動していくのかということが、プレゼンできちんと伝えられたのかなと思います。

主婦層のインサイトを深掘りし、知育をテーマに

 ハウス食品グループ本社のプランを提案し、優秀賞を受賞したのは、冨田正喜氏、チェ・ジョンウン氏、三枝峻宏氏、神澤由利氏、秋山奈央氏による「チームアイスバー」だ。ハウス食品グループ本社からのRFPは、どのようなものだったのだろうか。

神澤:とんがりコーンが持つ「遊び心溢れるコミュニケーションスナック」という特徴を、ファミリー世帯へLINEを使って伝えたい、という内容でした。

電通アイソバー株式会社 エクスペリエンスデザイン1部 プランニングディレクター 神澤由利氏
電通アイソバー株式会社 エクスペリエンスデザイン1部 プランニングディレクター 神澤由利氏

秋山:一言で言うと「とんがりコーンの話題をLINEで作ってください」という自由度が高いお題でした。普段からいろいろな企業のプロモーションを企画することが多いこのメンバーでチャレンジするなら魅力的なテーマだと思いました。

電通アイソバー株式会社 エクスペリエンスデザイン1部 プランニング ディレクター 秋山奈央氏
電通アイソバー株式会社 エクスペリエンスデザイン1部 プランニング ディレクター 秋山奈央氏

 「チームアイスバー」では、画像認識を用いた知育ゲームを中心として、スタンプ配布やコンテスト、絵描き歌など複合的なアイデアを提案した。

チェ:メインターゲットが小学生以下の子どもがいる主婦層だったので、主婦の方がどういうものに興味関心を持っているか、インサイトを考えるところから企画を始めました。ヒアリングも行いデータを集めていくなかで、子どもの教育について多くの方々が強い関心や悩みを持っていることがわかったので、「知育」をテーマにしました。楽しく遊びながらとんがりコーンを食べ、親子のコミュニケーションを作りつつ、教育にもつなげるところをどのように実現するかということが、今回のプランの骨子となっています。

電通アイソバー株式会社 コミュニティデザイン部 コミュニティデザイナー チェ・ジョンウン氏
電通アイソバー株式会社 コミュニティデザイン部 コミュニティデザイナー チェ・ジョンウン氏

三枝:とんがりコーンでは既に様々な施策を行っています。過去にやってきたものと被らないように気をつけました。また、コンテストの他の参加チームが応募してきそうなアイデアと重なることがないように、オリジナリティと具体性を持たせることを配慮しました。

電通アイソバー株式会社 エクスペリエンスデザイン2部 シニアコミュニケーションデザイナー 三枝峻宏氏
電通アイソバー株式会社 エクスペリエンスデザイン2部 シニアコミュニケーションデザイナー 三枝峻宏氏

クライアントの心を掴むプレゼン術

 プレゼンの場には、遊び心溢れるコミュケーションスタイルを表現した格好で挑んだ。

三枝:プレゼンも、聞き手に対して楽しい印象を残すことを第一に考えました。そのため、みんなでとんがりコーンをイメージした帽子をかぶって衣装を揃え、のぞみました。

秋山:また、動画を多用して、実際にユーザーがLINEを通してどのような体験をするのかを具体的に見せていきました。LINEスタンプを使う提案にしても、プレゼン段階では「スタンプも実施します」の一言でよかったかもしれません。しかし、スタンプのイメージも今回のプレゼンのためにオリジナルで描き起こし、利用イメージも動画で伝えました。

神澤:プレゼンは代表者が一人で全部話す場合が多いと思いますが、我々は全員で順番に話すようにしました。担当パートについては自身の言葉で話すほうが思いを伝えられますし、聞き手も話し手が変わっていったほうが飽きずに聞いてもらえるのではないかと考えました。

 こうした企画やプレゼンでの工夫が評価され、優秀賞の受賞となった。審査協力したハウス食品株式会社の齊木氏と上原氏は、選考結果について「コアターゲットである小学生以下のお子様を持つ女性の気持ちに寄り添い、弊社が『とんがりコーン』において重要視している“親子のコミュニケーション”が最もしっかり提案されていたことから選ばせていただきました」とコメントしている。

秋山:チームのメンバーがそれぞれの強みや今持てるアイデアや知見、経験を思い切り注ぐことができました。それが優秀賞という結果につながって、とても嬉しかったです。

冨田:弊社は、「LINE Account Connect」部門の「Technology Partner」として、LINEさんとお付き合いさせていただいてきました。しかし、ツールの開発といったテクノロジー的な面だけでなく、顧客体験をデザイン・プランニングできることも弊社ならではの強みであると考えています。今回の受賞により、「Planning Partner」にも認定され、そのことを証明できたのではないかと思っています。

担当者が明かす!LINEを活用したCXデザイン成功の秘訣とは?

LINEを活用したCX(顧客体験)デザインについて、最新の事例を交えて紹介するセミナーを6月28日(金)に電通アイソバーとLINEが開催。セミナーでは、ロート製薬、他企業が各社の取り組みを紹介します。お申し込みはこちらから。

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この記事の著者

平田 順子(ヒラタ ジュンコ)

フリーランスのライター・編集者。大学生時代より雑誌連載をスタートし、音楽誌やカルチャー誌などで執筆。2000年に書籍『ナゴムの話』(太田出版刊)を上梓。音楽誌『FLOOR net』編集部勤務ののちWeb制作を学び、2005年よりWebデザイン・マーケティング誌『Web Designing』の編集を行う。2008年よ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2019/06/10 10:00 https://markezine.jp/article/detail/30815