「働くママ」と「専業ママ」、特徴的な利用サービスの傾向は?
先の調査結果は、読者の皆さんはご自身の経験からも、納得感のある結果ではないだろうか。ここからはさらに、ターゲットを細分化して、プラットフォームの利用実態のリアルをみていく。たとえば同じ「ママ」でも、「働くママ」と「専業ママ」ではどのような違いがあるのだろうか?
まず、「働くママ」と「専業ママ」ぞれぞれのネットの利用時間を見てみると、やはり時間的余裕が生じやすい「専業ママ」のほうが多かった(図表4右上)。一方で有料サービスの利用状況を見ると、自由に使えるお金をより多く持つ「働くママ」のほうが親和性が高いことが明らかに(図表4右中央)。

また、よく使うコンテンツジャンルやサイト・アプリにも非常に大きく特徴が出る結果となった。
「働くママ」が多く利用するコンテンツジャンルは「音楽」「スケジュール・カレンダー管理」「金融・ファイナンス」系。「音楽」の利用率が高いのは、通勤など1人で行動する時間が「専業ママ」より長いことに起因すると考えられる。逆に、「専業ママ」は「ゲーム」や「コミック・電子書籍」の利用率が高い。子どもと一緒にいる時間が長い分、子どもの声や様子をうかがいながらも利用できることが利用率の高さに現れている可能性がありそうだ。
利用サイト・アプリランキングでは、ランキングの上位ラインアップには大きな差は見られないものの、細かく見てみると下記のような嗜好の違いが多数浮かび上がった。
- 「働くママ」はGoogle派、「専業ママ」はYahoo! JAPAN派が多い
- 「働くママ」はビジネスシーンの会食でも便利な「食べログ」利用が多い一方で、「専業ママ」は子どもと行きやすい「マクドナルド」利用が多い
- 「専業ママ」はクックパッドの利用率が「働くママ」より10pt以上高い
上記のような違いをあぶりだすことで、たとえば「働くママ」向けに“サブスクリプションでの音楽配信サービス”を作ったら受容性が高いかも!?など、新たなビジネスチャンスの発掘や仮説検証に活かすことができるだろう。
サブスクサービスへの課金率が高いユーザー像とは?
続いて、ここ最近ブームとなっているサブスクリプションモデル(以下、サブスク)。そのユーザーにフォーカスして、プラットフォーム利用動向をみてみよう。
NetflixやHuluをはじめとする動画サービスは、サブスクモデルが早い時期から浸透しているカテゴリーといえるだろう。たとえば、動画サービスのサブスク利用者が“他に”課金しているアプリジャンルが何か調べてみると、1位は音楽系で動画サービスのサブスク非利用者の約3倍の課金率を誇り、それ以外にも全般的に課金率が高いことがわかる(図表5)。

また、3位の電子書籍系や5位の電子雑誌など、紙媒体に由来する電子サービスへの親和性が高いことも特徴的だ。新たにサブスクモデルでのビジネスを検討する際に狙うべきターゲット像の参考となるだろう。