自動入札と広告運用のさらなる効率化
「CV値の最大化」に向けて自動入札を調整可能に
スマート自動入札は、過去のCV履歴に基づいてオークション単位で入札価格を調整する機能です。機械学習をフル活用して入札価格を調整するため、手作業で入札するよりも高いパフォーマンスを得ることができます。
このスマート自動入札の入札戦略として、目標CV単価や目標広告費用対効果(tROAS)がよく利用されますが、新たに「CV値の最大化」を入札戦略として選択できるようになりました。
この入札戦略は2017年に導入された「CV数の最大化」と同様に、特に目標とするROASがなく予算内で最大のCV値にすることが目的の場合や、予算が少ないため定常的にキャンペーン予算の上限にぶつかってしまうような場合に設定することで、その効果を期待できます。
キャンペーンごとにCVアクションを選択可能に
昨今では、自動入札に任せて広告を運用する広告主も増えてきたかと思います。しかしながら、これまでのGoogle 広告の設定では、CVアクション自体は複数作れるものの、スマート自動入札のシグナルとして使用できるCVアクションは、1アカウントに対し1種類のみでした。
今回発表された「キャンペーンごとのCVアクション」を利用することで、キャンペーンごとにスマート自動入札に利用するCVアクションを選択することが可能になります。
これによって、ひとつのアカウントの中でオンラインストアでの商品の購入と、オフラインストアの“来店CV”を目的に広告を運用している場合、それぞれのCVアクションごとにスマート自動入札を適用することができます。
オーディエンスの拡張度合いの幅が拡大
オーディエンスの自動ターゲティング機能には、「積極的な拡張」と「慎重な拡張」の2種類がありましたが、拡張度合いの幅が広がりました。今回発表された「オーディエンス拡張スライダー」では、拡張度合いを5段階から選ぶことができるため、既存のキャンペーンの配信対象を簡単に広げられるようになります。
セールなど季節要因によるCV率の変化を加味した入札価格の調整も可能に
スマート自動入札は、うまく使いこなせば大きな効果を発揮します。しかし、過去のCV履歴を参照しているため、セールが終わって急激にCV率が下がった時に、入札調整が遅れて入札価格が高騰してしまう可能性がありました。
「Seasonality Adjustment」を活用し、セールの開始時・終了時などに合わせてCV率の変化率を事前に入力しておくことで、それを加味した効率的な入札が可能になります。
テレビとデジタル両方の入札が可能に/広告の在り方が変化
「Display & Video 360」からテレビCMの配信が可能に
「Display & Video 360」から、テレビCMの買い付けが可能になりました。つまり、テレビ広告とデジタル広告をひとつのプラットフォームから買い付けることができるということです。
将来的にテレビとディスプレイ広告の買い付けは、より近い存在になっていく模様です。
「Display & Video 360」で音声フォーマットの広告を配信可能に
「Display & Video 360」経由で、音声フォーマットの広告配信が可能になりました。今後は、Google Play MusicやSpotifyなどのネットワークに音声フォーマットの広告が配信できるようになります。
メーカーと小売り、共同予算でのキャンペーンも
「Shopping campaign with parteners」は、メーカーと小売りの共同の予算でショッピング広告のキャンペーンを運営・管理することができる機能です。
たとえば、ソニーとヨドバシカメラが「Playstation4」のショッピング広告を配信していた場合、ソニーのGoogle広告アカウントとヨドバシカメラのGoogle広告アカウントを紐付けることで、ソニーとヨドバシカメラが共同の予算でショッピングキャンペーンを配信することが可能になります。
ローカルキャンペーンなど拡大された配信面
ショーケース広告の配信面が拡大
ショーケース広告は、「Google Marketing Live 2018」でも紹介されたショッピング広告の一種で、複数の関連商品の情報を含む広告です。具体的な商品名ではなく一般的な語句を使った検索でも表示されやすいため、ブランドを宣伝したり、特定の商品でビジネスを紹介したりする場合に効果的です。
これまでショーケース広告の配信面は、Googleショッピング、Google 検索、Google 検索パートナーに限られていましたが、Google画像検索、YouTube、Discoverの3つの配信面が拡大されました。
ローカルキャンペーンがパワーアップ!
「Google Marketing Live 2018」でも紹介された、オフライン店舗への来店や購入を促進するためのローカルキャンペーンにいくつかの新機能が搭載され、パワーアップしました。
Google マップ上のルート検索の検索結果面に店舗情報が掲載されたり、Google マップ上に店舗のPingが表示されやすくなったりするなど、オフライン店舗が発見されやすくなる機能が追加されました。ローカルキャンペーンは、今後すべての広告主が利用できるようになるとのことです。
以上が「Google Marketing Live 2019」のキーノートで発表された内容のまとめとなります。
GDPRやITPなどの影響でcookieの利用に制約が出たことの影響からか、新しい広告プロダクトの開発がGoogleの自社サービス上に多かったことも特徴的だったかと思います。「Display & Video360」経由でのテレビ広告の配信が米国以外でどのようになっていくかも非常に楽しみです。