意識すべきは「コンテンツ細分化、集客経路、コミュニティサイズ」

MZ:最後にコンテンツマーケティングの今後について、押さえておきたい潮流とともにお話しいただけますか。
枌谷:コンテンツの制作がどんどん簡単になっている流れがあると思います。
たとえばTwitterは140字でコンテンツが成立しています。音声もコンテンツですし、話している声がデータ化され、自動的に整形されてコンテンツになるような技術が出てくると、今のように人力で文章を書くオウンドメディアというスタイルも変わってくるように思います。
栗原:ここ数年で企業がコンテンツを出すということが驚くほど当たり前になっていて、この流れは、もうしばらくの間加速していくと思います。
また最近、ビジネスシーンにおいてFacebook MessengerやChatwork、Slackなどで人と人がつながるようになっています。その結果、メディアへの集客経路としてダークソーシャルの重要性が高まってきているのを感じます。
今までの集客経路は、検索エンジンからの集客やFacebook、Twitter、メールが主でしたが、今後はダークソーシャルからのコンテンツ流通が増えていくのではないかと思っているところです。
田中:企業にとってコンテンツとは、コミュニティを獲得する手段の一つです。コミュニティを構築して維持して、そこでマネタイズしていく。その時に意識しておくと良いのが、「時代とともにコミュニティは小さく深くなっている」ということです。

1990年代にかけては、あらゆるジャンルにおいて大きいコミュニティが二つ、三つあるような状態でした。たとえばメディアだったら、テレビ、ラジオ、新聞でしたよね。
ところが今は、コミュニティが細分化されて増えています。分断の時代と言われていて、それぞれのコミュニティの思考ベクトルはばらばらです。5年から10年後になると、コミュニティはさらに小さく、人々の思考はどんどん深くなっていくと思います。AIが人間の仕事を代わってくれるので、興味や関心をより深める余裕が生まれるイメージですね。
ただ、5G、6G、7Gの時代になると膨大な情報を瞬時にやり取りできるため、皆が同じような情報を得るようになり、思考の大きなベクトルは一緒になる。コンテンツマーケティングにおいても、この流れを意識しておくといいと思います。
MZ:今日はたくさんの疑問にお答えいただき、ありがとうございました。
