※本記事は、2019年6月25日刊行の定期誌『MarkeZine』42号に掲載したものです。
プレゼン資料作成において、犯しがちな3つの過ち
- プレゼンタ―のために、内容に漏れがないようすべて記載してしまう。
- 最初から資料作成ソフト(PowerPoint/Keynote)を立ち上げてしまう。
- 過去に作った資料の焼き直しから資料作成をスタートしてしまう。
プレゼン資料の目的は相手にわかりやすく伝えること
プレゼン資料作成から解放された社会の到来を、待ち望んでいるビジネスパーソンは非常に多いのではないでしょうか。遠くない将来に、脳に埋め込んだチップなどが脳波を読み取って、個人間共有できるSF映画のような世界が到来するのではないかと言われていますが、そうした技術が開発され、かつ副作用なく実装されるまでには、相当な年月を要すものと推察されます。
逆に言えば、10~20年先の未来においても、プレゼン資料作成の仕事はなくなりません。そうした場合、ホワイトカラー人材の生涯の労働時間の約10,000時間を奪っていると言われる資料作成に、私たちはどう向き合っていけばいいのでしょうか。
そもそも人はなぜプレゼン資料を作るのでしょうか。一般的に、会議や営業活動の現場では、概念をビジュアルに落とし込むことで、「相手にわかりやすく伝える」というのがその目的とされています。しかしながら、プレゼン資料が弊害となり、逆にわかりづらく、伝えにくくなってしまっているケースも近年、散見されているようです。
テキスト情報とビジュアルスライドそれぞれの長所と短所
ションの重要性について否定する人は少ないでしょう。たとえば下のサンプルスライドを見てみましょう。
Before「箇条書きのプレゼン資料」→After「デザインされたプレゼン資料」
左側が「箇条書きのプレゼン資料」、右側が「デザインされたプレゼン資料」です。両者はほぼ同じ情報を記載していますが、それぞれに長所と短所が存在しています。
優劣をつけるとすると、右のビジュアライズされた資料のほうがシンプルでわかりやすいでしょう。この差は、後述する「情報の構造化」の工程を経たものか否かの差が生じた結果です。