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『MarkeZine』(雑誌)

第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

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定期誌『MarkeZine』デジタルクリエイティブの作法

人生を変えるようなブランドとの出会いを表現する

 2017年、東急エージェンシーで新たに設立されたクリエイティブユニット「TOMO」。その代表を務めるクリエイティブディレクターの渡辺コウキ氏が大事にしているのは、「売上にコミットする」コミュニケーションプランニングだ。そこには、「自分のボスはブランド」と語る渡辺氏の、正面からブランドに向き合い、最大限その価値を表現しようとする姿勢があった。

※本記事は、2019年6月25日刊行の定期誌『MarkeZine』42号に掲載したものです。

同じ目線で企画できるデザインユニットを

株式会社東急エージェンシー エクスペリエンス クリエイション センター コミュニケーションデザイン局 TOMO 渡辺 コウキ氏
1998年東急エージェンシーに入社後、クリエイティブ局配属。デザイナー、アートディレクターを経て、現在に至る。衣料・飲料・食品・教育・空港など多くのクライアントを担当。世の中はコミュニケーションによって幸せにすることができると信じ、ブランド戦略、製品開発に至るまで統合的なコミュニケーションを得意とする。ONESHOW/D&AD/ACCなど受賞。ADFEST 2017 Design Lotus/Print Craft Lotus審査員。

――まず、「TOMO」をなぜ立ち上げたのか教えていただけますか。

 僕は元々クリエイティブ局の出自で、入社後はデザイナーからアートディレクター、クリエイティブディレクターへとキャリアを歩んできました。そうしてお客様と向き合う中で、旧来的な縦割りの仕事の進め方ではクライアントの要望にうまく応えられないケースが出てきました。そのため、戦略からアウトプットまでを一気通貫で考えられるような体制を取らなければと、危機感を覚えていました。

 また、僕自身もコミュニケーションの中でも限られたパートだけを担っていくことへのストレスがあった。その想いを上層部に伝えたところ、自分のスタイルでユニットを持ってやってみることを認めてもらえたので、2017年頃より統合したクリエイティブディレクションを行うユニットとして「TOMO」の活動を開始しました。

――「TOMO」のユニット名の由来、現在のメンバー構成についてもうかがえますか?

 「TOMO」の名前は、共存の“共(とも)”から取っています。というのも、クライアントにも社外の協力会社にも当然社内にも、仕事に対し、同じ目線でともに悩みながら企んでいきたいとの想いがあったためです。

 東急エージェンシーでは「TOMO」以外にもいくつかのユニットがあるのですが、それぞれが理想とする仕事のあり方を体現するために少人数の体制をとっています。「TOMO」は現在、アカウントプランナーと、プランナーの3人体制となっています。

――立ち上げから1年以上経過していますが、「TOMO」が目指しているコミュニケーションの理想的な形はなんだと思いますか。

 現在はクライアントとともに売れるための方法を作ること。売りに対してコミットすることだと考えています。消費者に商品を購入してもらうには、今までは認知から手に取ってもらうまでにいくつかのフェーズが存在しており、広告コミュニケーションという枠の中でアプローチしてきました。

 しかし、多くの人に知ってもらっても、実際に買う場所がなければどうしようもない。つまり、販路も考えなければいけませんし、さらには店舗で接客するスタッフのインナーモチベーションのコントロール、リピートしたいと思わせクロスセルができる商品設計など、クライアントのビジネス目標を達成するためには様々なことに取り組まなければなりません。「TOMO」ではこれまでの広告コミュニケーションに留まらず、モノが動くまでがゴールならそこまでずっと寄り添っていくパートナーでありたいと考えています。

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この記事の著者

畑中 杏樹(ハタナカ アズキ)

フリーランスライター。広告・マーケティング系出版社の雑誌編集を経てフリーランスに。デジタルマーケティング、広告宣伝、SP分野を中心にWebや雑誌で執筆中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/06/25 15:30 https://markezine.jp/article/detail/31355

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