最高何杯飲んだ人がいた?
――30分で最高何杯飲んだお客さんがいたのでしょうか? また、30分で何杯飲まれてしまうと赤字になるのでしょうか?
田中:平均すると3・4杯です。一番飲まれたお客様は生ビールを8杯と聞いています。原価的には5杯を超えるころから苦しくなり、6杯となるともう赤字です。飲み放題とは言え無理に飲むのは禁物ですので、ご自身のペースでゆっくりとお楽しみください。
――「30分飲み放題」が話題になったきっかけは?
田中:『ロケットニュース24』と『ねとらぼ』の記事が掲載されてからの反響が大きかったですね。また、YouTuberの方の動画の影響もあるように思います。
――「30分飲み放題」が話題になったことで店舗自体に変化がありましたか?
田中:店舗によりますが、話題になった週を前週と比較すると来店者数が147%増となったところもありました。

インパクトとコスパがポイント
――これだけ話題の「30分飲み放題」を全店舗で展開されていない理由はどういったところにあるのでしょうか? 実施店舗を拡大する予定はありますか?
田中:大変好評をいただいているメニューですが、ロードサイドの店舗ですと車の運転者の方がお客様としてご来店いただいていることが多いことも全国展開していない一つの理由でもあります。拡大に関しては未定です。
――メニューを熟知している丸亀製麺の社員・アルバイトさんだからこそわかる、「30分飲み放題」の楽しみ方を教えてください。
田中:こちらの飲み放題は、お一人でご来店されるお客様にも多くご利用いただいていますので、お酒好きのお一人様に特におすすめの食べ方をご紹介します。Aセットのうどんセットをまずご注文いただきます。うどんはあとからの提供もできるので、まずは天ぷらや惣菜をつまみに30分じっくり飲んでいただきます。飲み終わりましたら〆として注文口でセットのうどんを頼んでください。290円のうどんはどれでもお選びいただけます、〆にうどんまでついて1,000円! また明日も頑張ろうと思っていただけるはずです。
――最後に、話題となる施策を仕掛けるためのアドバイスをお願いします。
田中:当然、インパクトは重要です。また、お客様は正直で、コスパが悪いと感じるとやはり振り向いてはいただけないので、その2点を重視してメニューを構成しました。
客単価がそれほど高くない外食チェーンの丸亀製麺で、30分という時間で1,000~1,300円の客単価が確実に見込めるのが「30分飲み放題」というサービスです。加えて、都心の店舗で来客数が鈍りがちな夜の時間帯の来客を促進できるというメリットもあります。お客様目線では、メイン料理+2品+お酒飲み放題が1,000~1,300円で楽しめるという、お酒好きな人には明確なメリットがあるサービスとなっています。どちらにとってもWin-Winのサービスと言えるでしょう。
最近の経済系ニュースなどでは「客離れ」といった見出しのネガティブな報道も目につく丸亀製麺ですが、「30分飲み放題」のような“奥の手”はまだまだあるように思います。