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スマホファーストマーケティングを実践する、資生堂ブランド「レシピスト」のインハウス戦略

2019/07/10 10:00

 若年層をターゲットとする企業にとって、今はマーケティングが難しい時代だ。テレビや雑誌など従来のメディアから離れつつある若年層は、次々と新たなチャネルに移行していく。トレンドの移り変わりが早く、若年層との接点を持つこと自体が困難な状況で、再現性のあるマーケティングをスピーディーに実施するにはどうすればいいのか。今回は資生堂グループの株式会社エテュセでマーケティング部長を務める長野種雅氏と、インハウス事業支援を提供するハートラス代表の高瀬大輔氏に、若年層向けのマーケティングに挑む姿勢とその実践を聞いた。

目次

若年層のお客様と、ブランドを通して接点をつくる

MarkeZine編集部(以下、MZ):本日は若年層をターゲットにした資生堂のスキンケアブランド「レシピスト(recipist)」のマーケティングを担っている長野さんを、ハートラスの高瀬さんと一緒に訪問しています。まず、長野さんのこれまでの経歴と現在の役割を教えていただけますか。

長野:2000年に資生堂に入社し、当初は研究所に所属していました。入社してから10年間、シャンプーやコンディショナーの処方の構成や、基礎研究に取り組んでいたんです。

 その後、マーケティング部門に移動し、FWB(重ねたメークがお湯で落とせる化粧下地)やunoなどのマーケティングを担当していました。2017年1月から、現在担当しているレシピストのマーケティングに携わっています。様々な部署を経験してきていますが、私自身のミッションは変わっていません。資生堂がこれまで出会えていない、若年層のお客様と、ブランドを通して接点をつくることに注力し続けています。そのチャレンジの一つが、ミレニアル世代&EC特化型スキンケアブランド「レシピスト」です。

ターゲットの肌にぴったりあうような処方に仕上げたレシピストは、価格帯も全アイテム1,000円未満。「自然由来成分でうるおいつるん肌」というキャッチコピーで、若年層の心を掴んでいる。

施策&組織体制をデジタルシフトし、ケイパビリティを高める

MZ:デジタルシフトの流れは様々な業界で起きていますが、長野さんは化粧品業界におけるデジタルシフトについて、どのようにお考えでしょうか。

長野:化粧品業界のEC化率はたった5%と言われていますが、逆に私はここに大きな伸びしろがあると考えています。「化粧品は店頭で買う」という消費者心理を乗り越えるインサイトを発掘し、デジタルを活用した新しい仕掛けやコミュニケーションを実践していく必要を感じていました。

 ただ、私たちも各SNSの公式アカウント自体は立ち上げていましたが、効率的・効果的に活用できているかというと、そうではありませんでした。

高瀬:デジタルチャネル上では、生活者とのコミュニケーションもインタラクティブになり、 その分スピードも求められますよね。SNS施策は鮮度が命なので、そういったスピード感にも課題を感じていたのでしょうか。

長野:そうですね。世の中の流れに合わせて、社内で施策を進めるフローをスピーディーに、また組織の在り方も変化させ、会社全体としてケイパビリティを成熟させていく必要性は強く実感していました。

MZ:企業規模が大きくなるほど、スピーディーに施策を回すことは難しくなると思うのですが、資生堂ジャパンではいかがでしょうか?

長野:エテュセは、資生堂ジャパンの通常のマーケティング部よりもさらに意思決定を迅速にできるように、権限移譲されています。

高瀬:デジタルシフトにおいては、施策ベースだけでなく、組織・体制も鑑みて実行すべきです。レシピストはそこまで踏まえて、各施策を実行しているブランドですよね。


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