SEO対策の前に! 各デバイスが使用している検索エンジンを知る
音声検索SEOの話に移る前に、各スマートデバイスが音声検索機能で使用している検索エンジンについて知っておく必要があるでしょう。たとえば、アメリカでスマートスピーカーシェアNO.1のAmazon Echoは、MicrosoftのBingを検索エンジンとして使用しており、Amazon Echoの音声検索SEOでは、Bingを念頭に置いたSEO対策が必要です。
一方、スマートフォンの音声アシスタント機能として利用者の多いGoogleアシスタントやAppleのSiriが使用する検索エンジンはGoogleのエンジン。これらの音声アシスタントの音声検索SEOでは、Googleを対象としたSEOノウハウが有効になりそうです。

2017年9月にApple Siriは検索エンジンをBingからGoogleに変更(参考)
音声アシスタントの回答に選ばれるためには? 音声検索SEO5つのポイント
ユーザーの音声検索クエリに対して回答として音声アシスタントが読み上げる結果に、自社のコンテンツが選ばれるための対策(=音声検索SEO)には何があるのでしょうか? アメリカでは、特にGoogleの音声検索に対する調査が進んでおり、音声検索結果に採用されるコンテンツの傾向が明らかになりつつあります。
2018年にBacklinko社が発表した、Google Homeを使ったクエリ1万件の音声検索結果の分析レポート(出典:We Analyzed 10,000 Google Home Results. Here’s What We Learned About Voice Search SEO│Backlinko)など、様々な会社が音声検索結果を分析したデータを公表しています。これらのレポートから、Googleの音声検索結果に採用されるページ・コンテンツの特徴や傾向が見えてきます。現時点でので「音声検索SEO」のポイントは、以下の5つと考えられます。
1.PC・スマホ検索結果での上位表示が必要
Googleの音声検索結果に採用された(Google Homeが読み上げた)コンテンツ内容の約75%が、PCやスマホでテキスト検索した結果の上位3位以内のコンテンツ。つまり音声検索SEOのためには、通常のテキスト検索結果で上位3位以内に表示されるようなコンテンツ、SEO施策がまず必要と考えられます。
2.ページ表示速度が重要
音声検索結果に採用されたページの表示速度を測定したところ、平均的なページよりも52%速かったとのこと。テキスト検索のSEOでもページ表示速度が重要とされますが、音声検索SEOでも同様のことが言えるようです。
3.長文は音声検索結果で採用されない
これは英語の場合ですが、Google Homeなどが回答する平均的な音声検索結果は29単語からなる比較的短い、簡潔な文章とのこと。ユーザーの検索ニーズに対して、短く、簡潔に回答している文章箇所がコンテンツ内に存在しているかが、音声検索結果に採用されるかの1つの決め手になる可能性があります。
一方、音声検索結果に採用されたページの全体の単語数を調べたところ、平均2,312語と決して短いページが音声検索で好まれる訳ではないようです。音声検索SEOのために、短い、簡潔なコンテンツを多数制作すれば良い訳ではない点に注意が必要です。
4.ドメイン、Webサイト、コンテンツの信頼性
音声検索結果に採用されたページのドメインなどを調べると、ドメイン・オーソリティ(ドメインへの信頼性)が高いWebサイトのコンテンツほど、音声検索結果に採用されやすい傾向があることがわかりました。また、音声検索結果に採用されたページは、平均で1,199件のFacebookシェアと、44件のTweetがあるなど、ソーシャルメディアでのエンゲージメントも高いことが明らかに。このため音声検索SEOでは、コンテンツの改善や見直しだけでなく、ドメイン・Webサイト全体の信頼性を高める施策やソーシャルメディアでのエンゲージメント獲得も重要と言えます。
5.強調スニペット
Googleの音声検索結果で読み上げられた内容の約41%が、PC・スマホなどのテキスト検索結果で最上位に表示される「強調スニペット(Featured Snippet)」の内容だったとのこと。自社のコンテンツがPC・スマホなどのテキスト検索結果で強調スニペット表示されている場合、同じクエリの音声検索結果で自社のコンテンツが採用されている可能性が高いのです。