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MarkeZine Day 2025 Retail

半歩先行くコンテンツマーケティング 「独自性」を紐解いて活用する

「くっ、コンテンツの独自性ってどう出すんだよ!」と悩んだら、この3つの方法を思い出して欲しい

2.飽くなき自己ツッコミ:読者目線で自分にダメ出し

 企業が作るコンテンツはどうしても広告臭がする。「そりゃあ自社商品の紹介だし、良いことしか言わないよね」と思われるのは仕方ない。10伝えても4くらいしか受け入れられないのが宿命だ。消費者の立場で考えたら、そのへんの感覚は理解できるだろう。

 では、10伝えて8か9受け入れられるようにするためにはどうするか。それには読み手のツッコミ(疑問、不信感)に先回りした内容をコンテンツに盛り込んでしまうのがいい。ポイントは「自社をどこまで客観視できるか&正直になれるか」だ。業務用コーヒー豆でいうと……。

<Before>
「焙煎にとってもこだわっています」

 耳にタコができるほど聞き飽きた「こだわり」というワードは手垢に汚れすぎて、もはや全然響かない。本当で「こだわっている」のなら、そのワードを使わずにこだわりを表現してほしい。

/逆に聞くけど、こだわっていないプロって存在するの?\
/逆に聞くけど、こだわっていないプロって存在するの?\

 そこで、こう”ツッコんで回答する”のはどうだろう?

<After>
「コーヒー豆の焙煎にこだわっているようではまだ二流 40年間の試行錯誤の末にたどり着いた“焙煎の常識を壊す”焙煎法について」

 ツッコむときは、顧客が想起するであろう「どうせ」「たかが」「所詮」といった客観的な視点で行おう。言い方に語弊があるかもしれないが、S気質で己に切り込んでいくと、コンテンツの粗や穴、ボロが見えてくる。

 たとえば、

( ̄o ̄) ツッコミ:「どうせ、あらかじめ全部焙煎してあるんじゃないの?」
→回答:煎った豆は、密閉容器に入れておいても10日も経つと香味が落ちてくるので、弊社は生豆の状態で保管して、注文を受けてから焙煎・出荷している。

( ̄o ̄) ツッコミ:「たかが加熱するだけのことでしょ?」
→回答:焙煎の程度によって、「浅煎り」、「中煎り」、「深煎り」がある。

( ̄o ̄) ツッコミ:「所詮、どの業者だって似たようなことを言うしなぁ」
→回答:大手のコーヒー会社は一回で終わらせる工程を、我々は5回に分けている。焙煎時間や火力をコンピュータ制御で調整すると大量生産は可能だが、味は落ちるので弊社では行わない。

 こんな感じだろうか。

 「こだわり」という単語を使わずに、物事に妥協せず、とことん追求する姿が垣間見えたと思う。客は常に複数の選択肢があり、疑問が解消しない、信頼できないと思ったらすぐ立ち去る。その上、広告表現に慣れきっており、簡単には信じない。だからこそ(自己ツッコミで先回りして)疑いや不信感の膿を出し切るのだ。

 それにしても、「公式サイトの情報を読み手は全面的に受け入れてくれる」と信じる希望的観測に満ちた企業コンテンツのいかに多いことか……。

【ポイント】
NG:読み手の疑問に答えず、自社都合で完結する
OK:率先して「ツッコむ」→根拠を示して返す

次のページ
3.人肌感のあるストーリー:脳みそに引っかかりをつくる

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この記事の著者

中山 順司(ナカヤマ ジュンジ)

SEO・ソーシャル・動画の3領域でのコンテンツ企画と制作が得意な生粋のコンテンツクリエイター。ソフトバンク、楽天トラベル、Six Apart、freee、ファベルカンパニーを経て2024年に独立。コンテンツマーケティングを専業とし、オウンドメディアとYouTubeの設計 / 企画 / 執筆 / 編集 / 分析 / 改善 / SEO を幅広く行う。MarkeZine、Web担当者Forum、ねとらぼ、WorkshipMAGAZINE等で執筆しつつ、Content ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/09/09 08:00 https://markezine.jp/article/detail/31796

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