※本記事は、2019年8月25日刊行の定期誌『MarkeZine』44号に掲載したものです。
●5Gで「体験の差」は残酷なくらい大きくなる
株式会社Kaizen Platform 須藤 憲司氏
●5GがIoT時代を加速させる
ソフトバンク株式会社 山田 大輔氏
●5GでダイナミックDOOHの広告表現は進化する
株式会社メトロアドエージェンシー 笹矢 貴史氏
5Gで「体験の差」は残酷なくらい大きくなる
5Gによって通信速度が速くなることは、データの転送コストが下がることを意味します。通信速度が100倍速くなるからといって、通信料金も100倍というわけにはいかないからです。そのため、今まで紙で制作していたセールスプロモーションのための印刷物(DM、カタログ、パンフレット、チラシなど)を動画にしたいというニーズは、確実に増えていくでしょう。
そして、動画によってコンテンツをリッチ化し後は、それらをパーソナライズ化したいという流れになるはずです。デジタルはそれが当たり前にできる世界ですから。パーソナライズなコンテンツは顧客にとっても嬉しいものです。こうして顧客体験が劇的に良くなり、ユーザーが前の時代には戻れない!と思い始めたら、それがデジタルトランスフォーメーション(DX)の兆候です。
5Gの時代には、この体験の差は残酷なくらい大きくなります。前時代的な体験の提供で満足している企業は、これからの世界で生き残れないでしょう。そのくらい、5Gによって体験の差は広がると捉えています。
DXしていない企業は、ただの残念な企業になる可能性がある。こうした流れを考えると、広告宣伝の領域だけではなく、セールスプロモーションもすべてDX化されていくと考えています。動画活用は、ありとあらゆるコンテンツを対象に行われ、営業資料や利用規約の説明、アプリの通知からマニュアルやQ&Aまで広範囲に広がり、そのデータをもとにPDCAを回すことも当たり前になっていくでしょう。
株式会社Kaizen Platform Co-Founder&CEO 須藤 憲司氏
2003年に早稲田大学を卒業後、リクルートに入社。同社のマーケティング部門、新規事業開発部門を経て、リクルートマーケティングパートナーズ執行役員として活躍。その後、2013年にKaizen Platformを米国で創業。現在は日米2拠点で事業を展開。WebサービスやモバイルのUI改善をする「Kaizen Platform」、動画広告改善の「Kaizen Ad」、世界40ヵ国10,000人以上のネット専門人材ネットワークからクラウド上で企業のデジタルマーケティングチームを提供する「Kaizen team for X」を提供。