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SEO/SEM自動LP生成ツール「Longtail UX」日本上陸~世界の小売企業が唸る技術とは~

 海外から最先端のマーケティングソリューションの日本進出支援を行うSOPHOLA(ソフォラ)が、新たに日本国内において独占的業務提携するオーストラリアのLongtail UX(ロングテール ユーエックス)。この提携により、SEO/SEMにおいてこれまでにない機能(検索キーワードに最適なLP自動生成、関連性のある既存ページのみへの内部リンク生成など)・パフォーマンスを実現するソリューションを日本で提供していくという。一体どのように、企業のマーケティング課題を解決してくれるのだろうか。SOPHOLA代表の飯野正紀氏、Longtail UX代表のアンドレアス・ズムラ氏に話を伺った(ズムラ氏とはビデオ会議)。

最先端のSEO/SEMソリューションとの出会い

MarkeZine編集部(以下、MZ):飯野さんとズムラさんそれぞれのバックグラウンドを教えていただけますか。

飯野:私はアドフレックス・コミュニケーションズ、アイレップ、楽天でデジタルマーケティング領域のキャリアを積んできました。特に直近の楽天では、新規事業開発責任者を2年ほど務め、世界中のマーケティングテクノロジーに精通し、日本にはないテクノロジーを利用した事業およびサービスを多く創ってきました。そして2018年4月にSOPHOLA(ソフォラ)を起業し、主に二つの事業を行っています。一つは、海外の最先端のマーケティングテクノロジーを取り扱ったコンサルティングやインハウスでマーケティングを行っている企業へのアウトソーシング事業です。そしてもう一つは、日本の伝統工芸品を海外に販売する事業です。地方の過疎化、職人の高齢化、海外への魅力発信などの社会課題に取り組み、日本企業のビジネス課題や日本の社会課題解決に有効なビジネスを作ろうとしています。

SOPHOLA株式会社 創業者兼代表取締役 飯野正紀氏
SOPHOLA株式会社 創業者兼代表取締役 飯野正紀氏

ズムラ:私はドイツ出身で、これまでにアイルランド、スペイン、アメリカ、そして現在拠点とするオーストラリアといった複数の国々で仕事をしてきました。デジタルマーケティングの世界に入ったのは15年前にGoogleへ入ったときで、品質スコア、AdWordsエディターやモバイル広告の初号バージョンを開発したコアプロダクトチームと一緒に働いていました。2013年にLongtail UX(ロングテール ユーエックス)を仲間と共に創業し、実際のユーザーの検索行動に即したランディングページ(以下、LP)を自動生成するAIによる最適化技術を開発しました。こちらは特許も取得しています。最初はオーストラリアのクライアントが主でしたが、最近は欧米のクライアントも徐々に増え、イギリス・ロンドン、アメリカ・ニューヨークにもオフィスを構えています。

Longtail UX Pty Ltd 共同CEO兼共同創業者 アンドレアス・ズムラ氏(写真提供:Longtail UX)
Longtail UX Pty Ltd 共同CEO兼共同創業者 アンドレアス・ズムラ氏(写真提供:Longtail UX)

MZ:お二人はどのようにして出会ったのでしょうか。

飯野:オーストラリアのECサイトで堺打刃物の販売に関する取り引きをしていました。そのときの仲介者の方に「オーストラリアで何かおもしろいテクノロジーはない?」と聞いたら、「ものすごくユニークなSEO/SEMの技術を持っている会社があるよ」と紹介されたのがLongtail UXでした。

MZ:日本市場において、両社が独占的業務提携を締結したのはどのような理由からでしょうか?

ズムラ:日本は我々にとって重要なマーケットだと考えていましたが、海外のスタートアップ企業にとっては、言語や文化の面から参入障壁がありました。そんな中、SOPHOLAからアプローチがあり、非常に有益な機会だと思いました。

 飯野さんやSOPHOLAのチームと出会えて本当に幸運だったと思います。日本のマーケットに対する深い知識とクライアントリーチを持ち、同じ価値観を共有できていると感じます。

 あと、弊社と特定市場において独占的なパートナーシップを締結したのはSOPHOLAが初めてだったというのも特筆すべき点ですね。他のマーケットにおけるパートナーシップはどれもオープンパートナーシップなので。ただ、日本マーケットでは、SOPHOLAと独占的パートナーシップ契約を結んだのは、正しいアプローチだったと考えています。

飯野:海外の方がAIなどの技術が進んでいるので、そういった技術をマーケティング領域に取り込んで一早く開発しているのは海外のスタートアップ企業です。なかでもLongtail UXは、今の日本にはまだないSEO/SEMのテクノロジーを持っていました。もし日本の企業がこれから同様のサービスを自社開発しても追いつけるレベルではない、これなら言語や文化の壁を乗り越えて日本へ持ってきても十分に勝負できると考えました。

最適な検索キーワードに対応したLPを自動生成

MZ:Longtail UXが提供するソリューションはどのようなものでしょうか。

ズムラ:リスティング広告やSEOといった領域で、これまで解決できなかった重要な課題を解決することができます。リスティング広告においては、数万にものぼる検索キーワードに対して最適なLPをどう作っていくか、在庫のある商品に関連するキーワードをどうやって常にピンポイントでターゲティングできるか(在庫のない商品に紐づくキーワードは対象外にしたい)といった課題がありました。Longtail UXでは、検索キーワードにマッチしたLPを自動生成することができます。また、商品の在庫状況やシーズナリティに応じて適切なキーワードも変わっていきますが、そうした変動にも対応しています。アカウント構成を自動生成でき、広告のテキストやキーワードのリストも含めて全部自動的に最適化することができる世界唯一のテクノロジーです。

ズムラ:SEOにおいては、これまでROIを測ることが難しいこと、既存トラフィックへのリスクなくSEOを伸ばすにはどうしたら良いか、サイトナビゲーションや内部リンクを触らずに各ロングテールキーワードにマッチした数千の新規LPをどのように生成するかといった課題がありました。これに対しては、SEOをリスティング広告のように管理することが可能になります。つまり、どのようなキーワードをターゲットにすべきかを把握し、対象キーワードそれぞれに最適なLPを自動生成して、サイト内の関連性のある既存ページへ内部リンクを貼ることがきるのです。また、SEOのパフォーマンスやROIをキーワード単位で測ることもできます。

飯野:オーストラリア国内では、Googleが現地のクライアントをLongtail UXに紹介して、ソリューション導入されるケースも増えています。というのも、Googleが持っていない技術であり、導入によってGoogle広告の売上が伸びることが期待できるからです。

MZ:特に類似ソリューションとの違いというのは、どのような点でしょうか。

ズムラ:類似ソリューションでは、いくつかのテンプレートを用意しておいて、自動的にLPを生成するというものが多いです。しかし弊社のソリューションでは、商品フィードやコンテンツフィード(ブログや口コミ等)も組み込み、サイトのナビゲーションやトンマナに合わせたデザインでLPを自動生成できます。また、内部リンクに関しては、従来のタグクラウドのように単語レベルでリンクするのではなく、きちんと関連性のあるページのみにリンクを貼ります。これにより、Googleに正しくインデックスされ、ページランクが上がることにもなります。

 この特許取得済技術(Contexual Interlinking:コンテキストにあった内部リンク生成)は、弊社のクライアントで、世界を代表するオーストラリア国内最大の小売企業であるWoolworths社も非常に興味を示した技術です。自動生成したLPや検索キーワードはクライアントの承認を経て実行されるので、クライアントの意図しないものが世に出ることはありません。

導入までの5つのステップ

MZ:Longtail UXの導入、最適化、レポーティングまでのプロセスを教えてください。

ズムラ:ローンチまでは以下の5つのステップを経ることになります。

1.コンテンツフィード、商品フィード情報を提供してもらう。
2.リバースプロキシ設定により、ランディングページをLongtail UXでホストできるようにする。
3.関連ページへの内部リンクを貼るためのウィジェットを導入してもらう。
4.Longtail UX側でキーワードリサーチを行い、追加するキーワードの承認をしてもらう
5.Longtail UX側からランディングページデザインを提案するので、クライアントの承認をもらう。

ズムラ:ローンチ後も継続的なキーワードリサーチ、月次のキーワード提案、レポーティング、成果改善のサービスを提供しています。また、クライアントはレポーティングダッシュボードを閲覧でき、対象キーワードに変更を加えることもできます。

Longtail UXの日本での導入と海外での改善事例

MZ:Longtail UXのソリューションは、どういったクライアントにマッチするでしょうか。

ズムラ:たくさんの商品フィード、コンテンツフィードを持っていて、それに応じて必要となる一般系キーワードの多いクライアントです。この条件に合えば、ECサイト、旅行、人材、マーケットプレイス、金融、教育など、どんな業界でも有用です。我々は、既存のページ数が1,000以上、コンテンツフィードを1,000以上持っていることを推奨しています。

MZ:既に日本でも導入する企業が決まったんですよね。どういった点が評価されましたか。

飯野:7月に業界最大手人材派遣会社さんや体験予約サイトさんで導入が決まりました。2社とも、一般系キーワードが多いので、それに合ったLPをたくさん作りたいけれどリソースがないといった課題感を持たれていました。体験予約サイトのご担当様は、前の職場で類似ソリューションを使われていて、Longtail UXの持つ機能が他にはないものだという点をご評価いただけました。業界最大手人材派遣会社さんは、一般系キーワードについてより低い獲得単価を実現できるのならば導入したいとのことでした。それをLongtail UXに相談したところ可能だということでした。

MZ:先行してLongtail UXを導入して、パフォーマンスが大きく改善された海外の事例について教えてください。

ズムラ:たとえば、GraysOnlineというオーストラリアのeBayのようなサイトでは、SEO経由の売上が152%増加しました。また、Segundamanoというメキシコ情報掲示板サイトでは、SEO経由のリード増加が107%以上、リスティング広告におけるROIの改善が67%以上という成果が出ました。クライアント全体では、平均してROIが50%以上改善されています。

広告主の手でコントロールを

MZ:このパートナーシップにおいて、両社が実現したいことはなんですか?

ズムラ:短期的には、日本の市場をさらに理解することで、日本のクライアントに対してより良い形でサービス提供をしていきたいです。そして、SEOやリスティング広告において日本企業が抱える具体的な課題を一緒に解決していきたいです。中長期的には、日本にオフィスを開き、日本国内でサポートできる体制を作っていきたいです。

飯野:起業前から海外の最先端ソリューションを国内へ持ってくる仕事をしてきましたが、Longtail UXほど本当に導入したいと思えるSEO/SEMのテクノロジーを持つ企業はなかったです。それほどの技術なので、多くの企業に導入してもらいたいです。今後は旅行、人材業界のほか、まだEC業界にも広げていきたいと思っています。

MZ:最後に、両社の今後の展望をお聞かせください。

ズムラ:海外のマーケットではより顕著なのですが、GoogleやAmazonといったプラットフォーマー側でどんどん広告を自動化・最適化するようになったのは便利ではあるものの、その反面広告主側がコントロールできる部分が少なくなっています。Longtail UXにより、広告主が自分たちの手でWebサイトをコントロールできるように支援できればと考えています。また、Amazon向けのソリューションの開発に着手しています。これによりAmazonの商品フィードについても広告主の手でコントロールして、最適化できるようになるはずです。

飯野:去年戦略的業務提携を締結したオランダのリスティング広告自動最適化サービスAdScaleと合わせて、Longtail UXを国内でも広告主や広告代理店にもっと使ってもらえるようにしていきたいですね。

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この記事の著者

平田 順子(ヒラタ ジュンコ)

フリーランスのライター・編集者。大学生時代より雑誌連載をスタートし、音楽誌やカルチャー誌などで執筆。2000年に書籍『ナゴムの話』(太田出版刊)を上梓。音楽誌『FLOOR net』編集部勤務ののちWeb制作を学び、2005年よりWebデザイン・マーケティング誌『Web Designing』の編集を行...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2019/09/30 10:00 https://markezine.jp/article/detail/31920