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MarkeZine Day 2019 Autumn(AD)

社員7人で自社開発ツールを850社に導入 顧客と向き合う“非効率な営業”を支える「SATORI」活用

イノベーター理論に則り、商品とニーズのマッチングを進める

 プロダクト・マーケット・フィットを取り入れる上で役に立つのが「イノベーター理論」だ。これは、新商品や新サービスが市場に普及する過程を5段階に分類した考え方である。

 「イノベーター理論」では、アーリーアダプター(初期ユーザー)からアーリーマジョリティ(メインユーザー)に普及が広がるまでは、時間がかかるとされている。多くのユーザーは安心・安定を優先するため、確証がなければ新商品を採用しないからだ。彼らは初期ユーザーの反応を見ながら、導入を検討する。

 高畑氏は、プロダクト・マーケット・フィットとイノベーター理論の両方を踏まえた「新プロダクト開発を成功させるためのポイント」を、次のように述べた。

 「新プロダクトのリリースにチャレンジする際には、商品と市場ニーズのマッチングの段階で、ユーザーの声を徹底的に聞くことが重要です。その上で、メインユーザーへの普及促進を図るためにも、初期ユーザーの満足度を最大化できるよう改善を重ねていく。『優れたプロダクトを顧客と一緒に作り上げる』という気概で、開発を進めることが大切です」(高畑氏)

大勢を少し喜ばせるより、少人数を「猛烈に」喜ばせる

 続いて高畑氏は、社内コミュニケーションツール「SONR.」の開発プロセスを例に、自社が2つの考え方をいかに取り入れてきたかを語った。

 新プロダクト開発にあたり、同社ではまず、課題と解決手法をマッチングすべく、自分たちが実際に困っていることを洗い出した。そして浮かび上がったのが、「社内コラボレーションに対するストレス」だった。日々発生する共有のタスクが可視化されておらず、見落としが発生していたほか、他社とのコミュニケーションもうまく進まず、非効率な作業を繰り返していたそうだ。

 こうした課題意識から、現場に即したシンプルで使いやすいコミュニケーションツールの開発に至った。ところが、リリース直後は販売に苦戦したという。当時の状況を、高畑氏は次のように振り返る。

 「コミュニケーションツールは全社導入が基本となるため、“売りにくい”モノだと気づきました。さらに顧客企業の業種や業態によって、重要視するポイントが異なります。私たちがセールスポイントにしていた機能が顧客に響かないこともありましたし、興味をもってもらえたとしても導入に至るケースは少なかったのです」(高畑氏)

 このとき同社が参照したのが、イノベーター理論だ。具体的には、適切なフィードバックをもらえると予想した業種の異なるイノベーター(先駆者)4社のみにアプローチし、彼らのフィードバックを聞きながら、機能改善を繰り返した

 イノベーターの満足度を向上させ、ツールのファンになってもらったら、口コミや紹介でツールの情報をアーリーアダプターに拡散してもらえるよう働きかけるとともに、自社でも販売活動を開始。訪問による説明やイベントを通じてメインユーザーに訴求することで、顧客を拡大していった。

 「イノベーター理論を実践して学んだのは、先駆者に密着し、強烈なファンになってもらうこと。大人数を少し喜ばせるより、少人数を猛烈に喜ばせることが重要で、そのために必要なのは、プロダクトを作り込まず、顧客とともに改善させていくことだったのです」(高畑氏)

次のページ
「SATORI」で業務を効率化し、顧客に向き合う時間を確保

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この記事の著者

鈴木 恭子(スズキ キョウコ)

 東京都出身。週刊誌記者などを経て、2001年IDGジャパンに入社。「Windows Server World」「Computerworld」などの記者・編集を経て2013年にITジャーナリストとして独立。主な専門分野は組込系セキュリティ。現在はIT(Information Technology)とOT(Opera...

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【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2019/10/16 13:32 https://markezine.jp/article/detail/32065

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