予約数が昨対比120%に、レビュー評価も上昇
――Yextを導入されておよそ半年とのことですが、現状の成果をうかがえますか。
竹原:先ほどお話しした作業の効率化や、返答率の大幅な改善に加えて、Googleでのインプレッション数は約1.5倍に増加しました。さらに、Googleと連携している予約サイトからの予約率も昨年比で120%ほどに伸びました。飲食店予約サイトの「トレタ」がちょうど同じ時期からGoogleと連携したので、その影響もあると捉えていますが、Yext導入の効果を実感しています。
また、当社は5点満点で算出されるGoogleマップの星評価について、今年度中に全店舗平均で4.3まで引き上げようという少々高い目標を掲げているのですが、今年3月末時点で4.0だった数字を、現在4.1まで上げることができています。0.1上げるだけでも大変だったので、短期間で改善できていることに驚いています。
北村:トリップアドバイザーの口コミ件数も順調に増えています。トリップアドバイザーには年間の口コミ数やコメントの質、ポイントに応じて贈られる「エクセレンス認証」という基準があるのですが、お客様とのコミュニケーションを活発化させていくことで、今後より多くの店舗が認証を得られると思います。
――Yextを活用している各店舗の社員さんの反応はいかがですか。
北村:導入時から各店舗に対しYextの使い方をサポートしてきたのですが、皆さん徐々に操作に慣れてきたことがうかがえますし、口コミ返答率の向上もそれを表していると思います。加えてブランド内の各店舗の取り組み状況がお互いにわかったりすることで、店舗間でよい刺激になっているようです。
私たちマーケティング部も、作業の手間が減った分、分析にかける時間が増えて、本来のマーケティング業務に集中できるようになりました。
店舗&デジタルでの良い顧客体験が集客につながる
――飲食業に限らず、多数の拠点や店舗があるような業態の場合、本社と各現場との連携が重要ですが、ワンダーテーブルさんはテクノロジーを上手く活用しながら、スムーズに取り組まれていると感じます。
竹原:そうですね。マーケティング部は全員で六人という体制ですので、すべての店舗に関して人力でケアすることはできません。しかし日々忙しくしている店舗に、あれもこれも依頼することもできないので、お願いすることを取捨選択するとともに、なるべく効率の良い運用方法を提案していく必要がありました。
それに、施策を実行してもらってもその成果が可視化できないと、現場のモチベーションは下がってしまいます。こうした点も、Yextの導入で乗り越えることができていると思います。
――では最後に、デジタル戦略を含めた今後の展望をうかがえますか。
北村:デジタルの部分では、引き続きSEOやVSO、MEO(Map Engine Optimization)に力を入れていきます。各社がMEOに注目し始めているため、キーワード選定がますます重要になると思いますが、Yextを使うとキーワード単位で競合他社との比較ができるそうなので、まずはこれを活用して差別化を図りたいです。
竹原:現時点でもインバウンドのお客様が多いのですが、東京オリンピック・パラリンピックを機に、一気に訪日客が増加すると考えています。最終的には、国籍を問わず、「どの入り口から接触したお客様にも正しい情報を提供し、店舗ですばらしい時間を過ごしていただく。その体験をGoogleやSNSに投稿していただくことで、次のお客様を呼び込んでいく」という好循環が常に生まれる状況を目指したいですね。
そのために、可能なところは極力効率化して、私たちの強みであるホスピタリティを今以上に発揮できるようにしていきたいと思います。