BtoB/BtoCを問わず、マーケターがイベントやコミュニティの運営に携わる場面が増えてきた。しかしその手法は完全に体系化されているわけではなく、属人的になりやすい側面もある。それでも、なんとか参考にできるノウハウをシェアしてもらうことはできないか――。こんなお願いに快く応じてくれたのが、大阪・東京で若手限定のマーケターイベント「デジマ下剋上」を運営するメンバーだ。彼らはいかにして、コミュニティを急成長させてきたのだろうか。
バズを生むためのイベント設計とは?
デジマ下剋上とは
35歳以下限定のデジタルマーケティングイベント。4名のマーケターが運営主体となり、大阪・東京で100名規模のイベントを5回に渡り開催してきた。
(中央)株式会社フリークアウト 利光樹氏
(右)サンスターグループ 兒嶋仁視氏
――本日はイベント/コミュニティ運営をテーマに、お話を聞かせていただきたいと思います。まずは「デジマ下剋上」のコンセプトについて、教えていただけますか?
兒嶋:コンセプトは「現場から上に突き上げ、ビジネスを加速させる」。設計に関しては、来ている人も議論に参加できるインタラクティブ性を重視しています。イベントやセミナーは、登壇者が事例を話して、参加者はそれを静かに聴くという形式になりがちですが、そうではなく、登壇者も参加者も議論しながら一緒に考えていく場所を作りたかったのです。
「デジマ下剋上」は日々の仕事や、他のイベントへの参加で生まれたアイデアを基にしています。一緒に立ち上げた諸石くん(※)は現在東京で働いているため、今回の取材には来られなかったのですが……。
(※)デジタルガレージ マーケティングテクノロジーカンパニー 諸石真吾氏。詳細はサイトを参照。
利光:20代や30代でも、実は社内でブレインとして働いていたり、たくさんの意思決定を繰り返している人たちがいるはずなのに、表舞台には出てこない。参加者を35歳以下に限定することで、こうした人たちが前に出られる機会を作ると同時に、同じように戦っている仲間とつながる場所を用意しようと考えてきました。
――日々の仕事や、他のイベントへの参加で感じたことを、設計に活かしているのですね。ところで、「デジマ下剋上」という名前はとてもインパクトがありますが、何か狙いがあるのでしょうか。
利光:とがった名前ですよね。「上の人たちの首を取ってやろうぜ」という感じがしてしまうのですが、そのような意図はまったくありません!
兒嶋:マーケティングのイベントがたくさんある中で差別化を図ろうとしたときに、二項対立を作れば注目が集まるはずだと考えました。
下剋上の意味を言葉通り捉えると、首を取る者と、取られる者。若手層対ミドル層の二項対立を作り、どちらからも注目してもらうことを狙いました。
利光:イベントやコミュニティを運営する上で、初期のバズ設計は大切です。この名前がイベントの知名度を高める役割を担ってくれたので、とても良かったと思っています。
兒嶋:コンセプトのもう一方の柱である「ビジネスを加速させる」という点にも、強い思い入れがあります。この業界はアップデートが早く、1年で常識が変わってしまうことも少なくない。だからこそ、現場の知識・ノウハウをシェアし合い、現実に即した方法で課題を解決できるマーケターになろう、というメッセージを込めました。
このようなイベントの意図については、オープニングの時に必ず伝えるようにしています。
ポイント(1)
・イベント/コミュニティのコンセプト設計は、日頃の問題意識から生まれる。
・初期のバズ設計が大事。デジマ下剋上では二項対立を作り、どちらにも注目してもらうようにした。
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蓼沼 阿由子(編集部)(タデヌマ アユコ)
東北大学卒業後、テレビ局の報道部にてニュース番組の取材・制作に従事。その後MarkeZine編集部にてWeb・定期誌の記事制作、イベント・講座の企画等を担当。Voicy「耳から学ぶマーケティング」プロジェクト担当。修士(学術)。東京大学大学院学際情報学府修士課程在学中。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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