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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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若手が続々集まるイベントはこうして生まれた!#デジマ下剋上に学ぶ、コミュニティ運営5つのポイント

一斉メールより有効なのは?コミュニティ形成の極意

――皆さんは大阪を拠点に、東京でもイベントを開催しているとうかがっています。大阪は東京と比較するとマーケターの人数が少ないため、コミュニティ形成やイベントの集客が大変なのではないかと思いますが、どんな工夫をしているのでしょうか。

兒嶋:そうですね。イベントについてリアルな数字をお伝えすると、100人にお申し込みいただきたいと考えたとき、関西では期間ギリギリまで集客を続けないといけないくらいなのですが、東京ですと2日で満席になってしまいます。

利光:東京の場合、メールやSNSで告知をすれば比較的すぐに申し込みが集まるのですが、関西では「イベントを開催します。興味がある人は来てください」という待ちの姿勢は通用しません

――やはり大変なのですね。一体どうすれば……。

西川:地域の「豪族」の力を借りるというのが、とても大切だと思っています

――豪族とは!?

西川:豪族という言い方は、あくまで例えですが(笑)。関西に限らず、それぞれの地域には、長年マーケティングに関わっていて、素晴らしい知見や大きな影響力をもっている方々がいると思います。私たちの場合は、そういった方々に思いを伝えて共感していただき、「おもしろそうなことをやっているね。知り合いに紹介しておくよ」と協力いただいたことで、イベントの知名度を一気に高めることができました

  また、各地域には表に出てこないクローズドなコミュニティもたくさんあって、そういう場所には既に「マーケティングをもっと盛り上げたい」という熱い思いをもっている方が多くいます。コミュニティに顔を出して実現したいことを伝えたところ、イベントに来てくれるだけでなく、登壇者を紹介してくれるなど、様々な面で支えを得ることができました。

利光:細分化されたコミュニティのそれぞれにアクセスしていく意識は、とても大切だと思います

ポイント(2)
・地域の有力マーケターやコミュニティメンバーに思いを伝え、力を借りる。

ゼロからのイベント運営、何が必要か

――イベントを運営するためには、やらなければいけないことがたくさんあるように思います。具体的にどのような準備が必要なのでしょうか。

利光:100名規模のイベントですと、実はそんなにやることはありません。会場のレイアウトと受付の流れ、タイムマネジメント、そして懇親会をどうするか。想像できるぐらいのことしかないんですよね。

兒嶋:それよりも大切なのはやっぱりCX。お客さんにどういう体験をしてもらいたいのかをしっかり設計することのほうが、はるかに重要です。だからこそ、セッションのテーマ選びには毎回時間をかけています

――体験価値を高めるために、コンテンツ企画はとても重要なのですね。「デジマ下剋上」では、どのように決めているのですか。

利光:僕たちには“ブレスト会”のようなものがあって、お酒を飲みながらそれぞれが良いと思うアイデアを出しています。最初はどんな案にも「いいんじゃない?」とリアクションしながら、出せるだけ出すようにしています。

西川:ただ最終的には、自分が最も興味もっているテーマについて進めていくことになります。熱量をもってコンテンツを作るには、それが一番の方法なのですが、自分のアンテナが狂っていたら、参加者に響くセッションを企画できないのではないかなと考えています。

 この前感銘を受けた話があるのですが、今は「Twitterのトレンドワードと日経新聞の一面、テレビのニュースの第一報、すべてが違う時代」であると。その中で、一番興味をもってもらえるのは何かを考えなければいけないので、とても難しいと思います。

ポイント(3)
・熱量を割くべきは、やっぱりコンテンツ。

企画や登壇、言語化できないノウハウ身に着ける方法

――コンテンツの企画や登壇をはじめ、イベントの質を高めていくためのノウハウには、言語化が難しいものも多く存在するように思います。皆さんはどのように学んできたのでしょうか。

兒嶋:体系的に学んだことはなく、丸ごと参考にしているイベントも特にないというのが正直なところです。どうしてだろうと考えてみたのですが、実は僕たち4人、元バンドマンなんですよね(笑)。いかにお客さんに来てもらうか、どう楽しんでもらうか、というのを考えてきた経験があって。それが活きているような気がします。

利光:僕は初めてモデレーターをやることになったとき、マーケティングに関係のないセッションやセミナーも含めてYouTubeで検索して、ひたすら観ていました。

 オーディエンスとして観ていると「おもしろい話だったな」で終わってしまうところを、モデレーターの視点で観てみることで、「この話を振るために、どんな準備をしていたのだろう」などと、考えさせられます。こんなふうに他のイベントを構造分解していくことで、見えてくるものがあると思いますね。

――構造分解、というのはおもしろい考え方ですね。もう少し聞かせていただけますか。

利光:イベントの“What”や“Who”に関しては、僕たちの世界観や成し遂げたいこと、呼びたいターゲットがあるので、トレースすることはありません。ですが、“How”の部分は真似できることもあります。実際にその方法を取り入れない場合にも、イベントを形成する一つひとつの要素に関して「なぜこれをやっているのだろう」という意図を予想してみるようにしています

ポイント(4)
・他イベントを構造分解してノウハウを学ぶ。

次のページ
「デジマ下剋上」失敗談にみる、イベントの本質

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この記事の著者

蓼沼 阿由子(編集部)(タデヌマ アユコ)

東北大学卒業後、テレビ局の報道部にてニュース番組の取材・制作に従事。その後MarkeZine編集部にてWeb・定期誌の記事制作、イベント・講座の企画等を担当。Voicy「耳から学ぶマーケティング」プロジェクト担当。修士(学術)。東京大学大学院学際情報学府修士課程在学中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/11/26 08:00 https://markezine.jp/article/detail/32316

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