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「#このラジオがヤバい」がTwitterで複数回トレンド入り!仕掛け人に聞く、話題醸成の秘訣

ラジオリスナーならではのインサイトを探る

MZ:では、今回の企画に協力・支援したスパイスボックスの小谷さんに、今回のキャンペーンをどう設計したのかうかがいたいと思います。

小谷:今でこそ、『オールナイトニッポン』などのイベントにプライベートで行くくらい、本当にラジオが大好きなんですが、提案当時はラジオをまったく聴いていなかったんです(笑)。そのためスパイスボックスの社員や一般の方にヒアリングをしていきました。すると、ラジオにはコアリスナーとライトリスナーが存在し、大きく属性が異なっていることがわかりました。

株式会社スパイスボックス プロデューサー 小谷 哲也氏
株式会社スパイスボックス エンゲージメントコミュニケーション事業部
シニアマネージャー シニアプロデューサー 小谷 哲也氏

小谷:さらに、我々はSNS上の調査も強みにしているので、ラジオに関連する会話がどの程度SNS上で行われているのかを調査しました。すると、毎日何かしらのラジオ番組がTwitterでトレンド入りしたり、「#ベストラジオ2018」みたいな形でおすすめ番組が過去にまとめられていたりしていました。冨山さんもおっしゃっていたように、ラジオとSNSの相性が良いことを私も実感しました。

MZ:コアリスナーとライトリスナーでは、それぞれどういったインサイトを持っているのでしょうか。

小谷:ライトリスナーは、聴く頻度が月に数回やもっと少ないという人を指しているのですが、そのような人は好きな芸能人やアーティストの番組などを聴いており、趣味嗜好に依存しているケースが多いんです。一方、頻繁にラジオを聴いているコアリスナーは、ラジオの出演者だけでなく、ディレクターや放送作家などの制作陣といったラジオ関係者にも関心があり、ラジオ文化そのものが好きなんです。

 我々はこのような似た嗜好を持つ人たちをトライブと呼んでいますが、これらのトライブを捉えたキャンペーンを実施することにしました。

コアリスナーからライトリスナーに広がるキャンペーンを

MZ:では、具体的にどのようなキャンペーンを行ったか教えてください。

小谷:「#このラジオがヤバい」と「#番組名」の2つのハッシュタグを付けて自分がヤバいと思うラジオをエピソードとともに投稿してもらうキャンペーンを行いました。

 ラジオのトライブはお笑いや音楽、アイドルなどジャンルに紐付いて存在しているので、様々なジャンルのパーソナリティーのインタビューや全国のラジオ関係者のオススメの番組をオウンドメディアに掲載したり、リスナーだけでなく、各ラジオ番組やラジオ関係者などのSNSなどでも2つのハッシュタグを用いて、オススメの番組やエピソードを語ってもらったりしました。

 こうすることで、ラジオのコアリスナーからライトリスナーへと広がる施策を設計しました。

MZ:ラジオ関係者の方も、インフルエンサー的な役割を果たしたということですか。

小谷:ラジオ関係者の方って、すごくファンが付いているんです。冨山さんも、数千のフォロワーとつながっています。今回は全国のラジオ関係者が自発的に投稿したことで、非常に大きな広がりを見せました。

冨山:複数番組を担当するディレクターや放送作家の方がいますので、そういった人を各番組のリスナーがフォローします。人によってはフォロワー数が5、6万ということもあります。

MZ:それもラジオに触れていないと、全然わからない情報ですね。

小谷:そうなんです。僕もキャンペーンで関わっていくうちに、ラジオ界のいろんなところで実はつながりがあって、独特のコミュニティやギークさを感じさせる、そそられる部分があるんです(笑)。

冨山:確かに、特定の放送作家が担当しているラジオ番組だけ聴くリスナーもいるくらいですから(笑)。そして、コアリスナーが発信する情報っておもしろいものが多いので、広告などを打たずともオーガニックで自然と話題が広がっていくんです。

MZ:なるほど。その他に行った施策はありますか。

冨山:SNSの反響を受けて、5月6日に6時間の大型ラジオ特番を実施しました。これはNHKと民放連が協力して1つの生放送特番を制作し、それを全国のラジオ局が同時生放送するという画期的な特番でした。NHKのスタジオに全国のラジオパーソナリティーが28人集まり、非常にインパクトがあったと思います。

 またリーフレットという形で、SNS上につぶやかれたおススメのラジオ番組に関する投稿文を編集して、ネット上ではなく、若い人たちの手元に配って、ラジオ番組を紙で知ってもらうという企画も実施しました。12万部制作して、全国の中学校・高校およそ200校に配布しました。キャンペーンが2月18日から9月30日までと長期間にわたるものだったので、SNS以外でも立体的なコミュニケーションを心がけました。

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連日トレンド入り、熱狂的な反響が得られる結果に

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/11/21 09:00 https://markezine.jp/article/detail/32327

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