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国内1億以上の会員数とデータを武器に 楽天が描くオムニコマースの新しいカタチ

 楽天は現在、「楽天市場」や「楽天カード」など70以上のサービスを展開しており、楽天会員を中心としてこれらを有機的に結び付けた「楽天エコシステム」を形成している。そして今、この「楽天エコシステム」と国内で1億以上の楽天会員を基盤として、広告事業にも力を入れているという。本稿では、同社の広告事業の現在地と、O2Oマーケティングを実現する広告プロダクト「RMP - Omni Commerce」に迫る。

楽天の広告ビジネスの現在地

 2018年5月、楽天は広告ソリューションを「Rakuten Marketing Platform(以下、RMP)」ブランドに統一した。それまで同社は、たとえば「楽天トラベル会員向けメール」といったように、同社の各サービスを起点として広告商品を展開してきた。それらをRMPというブランドで統一し、「認知」「興味関心」「購買」「リピート」「ファン化」というマーケティングファネルに基づいて体系化。ユーザーの消費行動におけるすべての段階に対応するフルファネルのマーケティングソリューションとして、多様な広告プロダクトを展開している

 「Rakuten Marketing Platform」
「Rakuten Marketing Platform」

 RMPの軸となっているのが、膨大な購買データなどの消費行動分析データ楽天IDだ。「楽天市場」などにおけるデータを活用することで、より効果的なマーケティングを実現できる。楽天会員はIDを通じて「楽天エコシステム」内の多くのサービスを利用することができ、実際に国内に1億以上いる楽天会員の多くが、複数のサービスを横断的に利用しているという

 オンラインとオフラインのデータを活用し、高度なO2Oマーケティングを実現する広告プロダクトが、「RMP - Omni Commerce」だ。今回は、「RMP - Omni Commerce」を構成する「Rakuten Pasha」「Super Point Screen」に焦点を当てる。この2つはユーザーが利用に応じて「楽天スーパーポイント」を獲得できるサービスであると同時に、ユーザーがポイントを獲得するために必要な楽天IDを通じて、より深い顧客理解を実現する広告サービスである。それぞれを詳しく見ていこう。

オンラインでの当たり前をオフラインで実現する「Rakuten Pasha」

 「Rakuten Pasha」は、企業が実店舗において、自社商品の販売促進を目的としたプロモーションを行うことができる成果報酬型広告サービスだ。ユーザーはアプリまたはスマートフォンサイトから商品の「トクダネ」(クーポン)を取得し、商品購入後にレシートを撮影して画像を送付すると「楽天スーパーポイント」を獲得できる。

 2019年2月のサービス開始以来、ユーザー数は右肩上がりで増加している。メインユーザーは一般家庭で日用品を購入する30代〜40代の女性だが、お得感も高いことから、最近は40代〜50代の男性、10代後半や20代のユーザーも増えているという。

 今年11月には対象を映画にも広げ、鑑賞した映画の半券を撮影して送付するとポイントをプレゼントする「トクダネ」を発行した。「Rakuten Pasha」の事業責任者を務める山口氏は、「ユーザーの方からは、いろいろな形でPashaを楽しみたいという要望があります。今後も映画だけなく、さらに対象を広げて喜んでもらえるような展開を目指しています」と説明する。

楽天 メディア事業 事業開発部 オフラインPPAP開発課 シニアマネージャー 山口 高志氏
楽天 メディア事業 事業開発部 オフラインPPAP開発課 シニアマネージャー 山口 高志氏

 そんな「Rakuten Pasha」の広告サービスとしての最大の強みは、実店舗における購買行動データを活用することができる点である。広告主はクーポンをどれくらいのユーザーが取得したかだけでなく、取得された「トクダネ」が実際にどのくらい使われたのか、さらに「どんな層の人が」「いつ」「どの店舗で」該当商品を買ったのかまでを分析することができる。つまり、オンラインでは当たり前に行われている購買起点のマーケティングを、オフラインでも展開することができるのだ。

潜在層や実購買層の把握が可能に

 オフラインの購買状況を把握することができると、どのようなメリットがあるのだろうか。導入企業の事例をいくつか紹介する。

 ある男性向け商品を展開するメーカーでは、「Rakuten Pasha」を活用して実店舗における購買層を分析したところ、実際の購入者は女性ユーザーが3割を占めることがわかった。代理購入の可能性もあるが、広告戦略やマーケティング展開を見直す必要性が明らかになった。またコーヒーやミネラルウォーターなど複数の商品を展開している某飲料ブランドでは、「Rakuten Pasha」を活用してそれぞれの商品の買い回り状況を分析。どのような層に対し、どのようにブランドを横展開していくべきか、数値を元に判断できるようになったという。

 さらに、「Rakuten Pasha」では継続的に商品を購買してもらう仕組みを作ることも可能だ。一般的なサンプリング施策では、一挙に数十万個の商品を配るなどの形を取ることが多いが、「Rakuten Pasha」では、ユーザーが1回目の購入時に100ポイント、2回目には30ポイント、3回目には10ポイントを獲得できる「トクダネ」を発行するなどして、サンプリングと同時に継続的な購入を促すことができる。購入頻度や購入場所に加えて定着度を把握することができるほか、「回数を追うことで『どんな人が継続して購入しなかったか』といった点も明らかにできるので、それに基づいた戦略を立てられます」と、山口氏は話す。

 「このように、実店舗における購買を活用して、オフラインマーケティングのPDCAを回せることが『Rakuten Pasha』の強みであり、広告サービスとしての価値だと思います」と山口氏は話し、「顧客理解が深まることで、広告主のマーケティングの強化、さらには商品開発などに寄与し、より良い商品がそれを必要としているユーザーと出会える機会を提供していきたい」と抱負を述べた。

約85万人が毎日閲覧する「Super Point Screen」

 続いて、「Super Point Screen」について見ていこう。「Super Point Screen」は、Androidであればロック画面、iOSであれば通知などを通して広告に接触し、タップすることで「楽天スーパーポイント」を獲得することができるおこづかいアプリだ。同時に、許諾を得たユーザーの位置情報を活用することで来店促進を支援する広告サービスとしての顔も持つ。

 「サービスを開始して丸4年以上が経ち、現時点でAndroidとiOSを合わせて300万ダウンロードを突破しています。月間アクティブユーザー数は約130万で、うちデイリーアクティブユーザー数は約65%です。つまり約85万人が毎日アプリを開いて広告を閲覧し、ポイントを獲得しているということです。楽天の『ファーストタッチポイント』になり得るメディアだといえます」(小林氏)

楽天 メディア事業 事業開発部 SPS課 シニアマネージャー 小林 大亮氏
楽天 メディア事業 事業開発部 SPS課 シニアマネージャー 小林 大亮氏

位置情報を活用して来店促進

 そんな「Super Point Screen」のソリューションは、大きく分けて3種類ある。1つは「レギュラー ターゲティング広告」で、楽天のデータを元に最適なユーザーに広告を配信する。

 そのほか、「GEOヒストリカル ターゲティング広告」、「GEOリアルタイム ターゲティング広告」がある。いずれも位置情報取得の許諾を得ているユーザーを対象に広告を配信するというソリューションだ。「GEOヒストリカル ターゲティング広告」は、過去の行動データ(位置情報)に基づき最適なユーザーにキャンペーンやクーポンなどの広告を配信するもので、「GEOリアルタイム ターゲティング広告」は、指定したGEOフェンス内にいるユーザーに対し、リアルタイムで広告を配信するものだ。

 最近は、新たに動画広告でもソリューションを展開している。ユーザーが映画予告の動画広告(トレイラー動画)を見ることでポイントを獲得できるのだ。小林氏は、「映画の場合、CMや動画広告を配信してもどこまで来館につながるかわからないという課題がありましたが、位置情報に加え、『Rakuten Pasha』とも連携してユーザーに映画の半券画像を送付してもらうことで、再生回数に対しどれくらいの方が実際に映画館で鑑賞したのか、より正確に把握することができます」と説明する。

 「Rakuten Pasha」と連携するソリューションについては、大手レストランチェーンの集客プロモーションや、ドラッグストアへの送客を目的とした消費財メーカーなどからの出稿も急速に増加しており、楽天のあらゆるソリューションを活用することで広告配信から来店、購買までを計測できることが選ばれる要因となっている。

位置情報を組み合わせることにより広告効果は約4倍に

 小林氏によると、位置情報が加わることで広告配信の効果は格段に高まるという。昨年の夏、あるファストフードチェーン店で「GEOリアルタイム ターゲティング広告」を展開したところ、位置情報がない場合と比較して広告効果が約4倍という成果が出たそうだ。

 また、広告効果の幅も広がる。「あるショールームにてメーカーが実施したイベントでは、集客に『GEOリアルタイム ターゲティング広告』を活用しました。GEOフェンスを張って、半径500メートルから1キロメートル圏内にいるユーザーに複数パターンの広告を配信し、イベント会場への来場者に100ポイントをプレゼントするQRコードを配布したところ、2週間で数百名の新規来場効果がありました。楽天のデータによって来場者の属性も分析できるので、集客だけでなく、属性に基づいたイベント戦略の立案や課題の明確化が可能となるなど、大きな成果が出ました」(小林氏)

 小林氏は最後に、「楽天だからこそ、位置情報や購買情報、属性など様々なデータを組み合わせたユニークなソリューションを展開できます。特に『Super Point Screen』は約85万人のユーザーが毎日利用するため、その閲覧データも膨大ですし、より戦略的な使い方ができるでしょう。将来的には、位置情報をさらに詳細化し、店内における行動データに基づいた広告配信ソリューションを提供することや、オンライン・オフライン双方の購買情報と位置情報の掛け合わせによる広告配信の強化を行っていくことなどを考えています」と述べ、ソリューションの実例を増やし、広告主のマーケティング施策に貢献していく考えを明かした。

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この記事の著者

岩崎 史絵(イワサキ シエ)

リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/12/19 14:19 https://markezine.jp/article/detail/32417