インターネット利用状況を調査しているビデオリサーチインタラクティブは、2010年から今年までのPCバナー広告の出稿状況を取りまとめた。
年間の出稿社数は2014年から1万社台を維持
PCバナー広告の年間の出稿社数を見ると、2010年は4,499社だったが、4年後の2014年にはその倍以上の1万社を超えており、その後も1万社台を維持している。
2014年は、運用型広告が伸長したことにともない、インターネット広告市場が初めて1兆円を超えた年でもある。なお、2010年代トータルのPCバナー広告出稿社数は39,830社に至る。
10年間のトータルで出稿量が最も多かった広告主は?
2010年代の10年間トータルの推定インプレッション数を広告主別に算出すると、最もPCバナー広告の出稿量が多かったのは「サントリー」であり、「エアトリ(旧DeNAトラベル)」「カカクコム」が続いている。また、全体に占める上位20社の出稿量の割合は、23.4%を示す結果になった。
各年の出稿量トップ企業は?
続いて、年間でのPCバナー広告出稿量上位5社を見ると、年間でトップに立ったのは「サントリー」「エアトリ」がともに3回、「リクルートホールディングス」が2回、「カカクコム」「GMOコマース」が各1回となっている。また、2018年までは出稿量上位5社のうち2社以上が前年から連続してランクされているが、2019年の場合は「さとふる」の1社のみとなっている。
商品種類別のシェアでは「IT関連」が最多に 近年は旅行代理業が伸長
バナー広告で訴求している商品種類別の推定インプレッションのSOV(Share of Voice)についてみると、10年間トータルでは「IT関連」が16%と最も多くを占め、「小売業・商社」「金融・保険・証券」「運輸・観光・娯楽」「食品・飲料」が10%台で続く。今年と昨年を比較すると、「運輸・観光・娯楽」(特に中分類“旅行代理業”)のシェアが伸長しており、逆に「IT関連」(特に中分類“懸賞・プレゼント情報” )が縮小しているのが目立つ。
「GIF」の素材は大幅に減少 「PNG」と「JPEG」が主流に
最後に、バナー広告素材のファイル形式について、2010年と2019年を比較した。2010年は「GIF」が半数弱を占めていたが、今年は6%と大幅に減少しており、「PNG」「JPEG」の両ファイル形式が現在の主流となっていることがわかる。また、2010年に4分の1を占めていた「SWF(Flash)」形式の素材は、2019年にはほぼなくなっている。
【調査概要】
調査主体:ビデオリサーチインタラクティブ
調査期間:2010年~2019年、2019年は1月1日~11月30日を対象
調査対象:スマートフォンにおいて主要なアプリ/Webサイトより選定した約550の広告メニュー、デスクトップにおいて主要メディアサイトより選定した約3,000の広告メニュー
調査方法:同社独自基準に基づいて収集・DB化した、デスクトップ・スマートフォンの動画広告やディスプレイ広告の広告統計サービス「digiads(デジアズ)」(およびその前身サービス「Web Ads Report Advance」)を用いたもの。
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