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第106号(2024年10月号)
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私のキャリア

営業、採用、PR、そしてマーケターへ 心をオープンに、自分のスキルが活かせる働き方を

 広告・マーケティング業界で活躍する人物の職業人生、キャリアを伝える本連載。今回は、HubSpot Japanの土井早春氏を紹介する。外資系企業のセールスからキャリアをスタートした土井氏は、スタートアップでインサイドセールス、リクルーター、PRを経験したのち、地域経済を支援する企業で完全リモートワークを経験。現在はHubSpotでマーケター兼PRを担当している。自身の成長と会社への貢献を考えてキャリアを築いてきたという土井氏は、どのようにして自分のスキルが活かせる環境を見つけてきたのだろうか。

※本記事は、2019年12月25日刊行の定期誌『MarkeZine』48号に掲載したものです。

多様なキャリアから自分の得意を見つける

HubSpot Japan株式会社 シニアマーケティングマネージャー 土井早春(Saharu Doi)氏
一橋大学卒業。新卒でブルームバーグに入社後、セールスチーム第1号の社員としてfreeeへ転職。インサイドセールスの立ち上げに関わったのち、リクルーター、PR責任者を務める。2017年には、岡山県西粟倉村のエーゼロでマーケティングとPRを担当し、この間に産休・育休を取得。完全リモートワークによる就業を経験した。2019年1月よりHubSpot Japanに入社し、現職。

――土井さんは、様々なキャリアをお持ちですね。

 はい、現在働いているHubSpotを含め4社を経験しています。私は、日本三大秘境と呼ばれる宮崎県のとある村で生まれ、中学・高校時代は「携帯・テレビ禁止」の規則がある、全寮制の学校に通っていました。ある意味“閉じた世界”にいた反動からか、昔から広い世界や新しい情報に強い関心を持っていました。大学進学で上京したことをきっかけに、「もっといろいろなことを知りたい、挑戦したい」という欲求が爆発し、大学時代はNPOやインターン活動に励みました。また1年間のオーストラリア留学も経験しています。

 新卒で入社したブルームバーグでは、金融機関向けの情報端末のカスタマーサポートやセールスを担当しました。その後、freeeへ転職し、インサイドセールスの立ち上げに関わったのち、新卒と中途の採用担当と、コーポレートPRを務めました。この採用、PRという仕事がとても楽しくて。実は、仕事に熱中するあまり、一度過労で倒れてしまったことがあります。この経験から没頭しすぎる自分を少し振り返り、一度立ち止まってプライベートのことも考えてみようと、前向きな気持ちで退職しました。

 環境を変えてみたいと入社した3社目は、岡山の会社です。地方自治体向けのコンサルティングや、ウナギの養殖、関係人口(地方圏と多様な関わり方をする人たち)と継続的につながる、ふるさと納税の仕組みやコミュニティ作りなど、幅広い事業を展開している会社で、私にとっても新しい世界でした。一緒に働くメンバーも、元・水族館の飼育員や建築のベテラン現場監督など、多様なプロフェッショナルが集まり、豊かなダイバーシティがある環境でしたね。子どもが生まれたこともあって、私は東京から完全リモートワークで関わり、PRを担当しました。

 その後、フリーランスを経てHubSpotと縁があり、現在はプロダクトと既存カスタマーに向けたマーケティングを担当しています。たとえば、海外の事例や情報を日本向けにローカライズしたり、プロダクトに関するブログを運営したり、商談前のお客様に向けたメールマガジンを配信しています。また、新しいプロダクトのプレスリリースの発信やメディアキャラバンなどのPR業務も担当しています。

――セールスからリクルーター、PR、マーケティングと、経験されてきた職種も幅広いですね。

 私は仕事のオファーをいただいたとき、「今自分が持っているスキルセットで、その組織にきちんと貢献できるか?」を、慎重に考えています。それがかみ合っていないと、入社した後にギャップが生まれて、お互いに幸せではないと思うからです。スキルがまだない社会人になったばかりの頃は、組織からの「やってみて」にチャレンジする姿勢でしたが、freeeで採用担当だったときに、自分の得意なことに気づいた瞬間がありました。それは、粒度の大きい抽象的なメッセージを、他の人に向けてわかりやすく伝えることです。たとえば経営者の言葉を具体的に落とし込んで話したり、自分に憑依させてプレゼンしたりすることが得意だということに気づいたのです。そのため今は、その力を活かすことができるマーケティングやPRの職種に絞ってキャリアを深めています。

 マーケターやPRを私なりに定義すると、会社と社外という、1対多のコミュニケーションに責任を持つ仕事だと思っています。会社の事業や文化を発信することで認知を高め、信頼を築く。そして、「この会社って社会貢献に積極的だったな」とか「社員の印象が良いな」など、商談の最後の意思決定の後押しとなる会社の印象を作るのも、PRの役割だと考えています。

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この記事の著者

マチコマキ(マチコマキ)

広告営業&WEBディレクター出身のビジネスライター。専門は、BtoBプロダクトの導入事例や、広告、デジタルマーケティング。オウンドメディア編集長業務、コンテンツマーケティング支援やUXライティングなど、文章にまつわる仕事に幅広く関わる。ポートフォリオはこちらをご参考ください。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/12/25 16:38 https://markezine.jp/article/detail/32648

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