インテージは消費者パネルSCI(全国消費者パネル調査)の購買データをもとに、 この1年で日用消費財の中で何がより買われるようになったかを、生活者の平均購入金額の伸びから振り返る「好調カテゴリーランキング」を発表した。
集計期間は2019年1月から10月にかけてで、年間平均購入額の対前年の増加割合を指標とした。対象は食品・飲料・日用雑貨品のインテージ標準カテゴリーのうち年間購入者が全消費者の10%以上のもの。
健康志向ブームの中で異彩を放つタピオカのパワー
購入額の伸び率ランキング1位は前年比131%の「デザートドリンク」で、タピオカドリンクが原動力となった。2016年の調査開始以来、1位になるカテゴリーには健康志向が反映されていたが、2019年にはおいしさやインスタ映えに象徴されるSNSの発信力に支えられたカテゴリーが伸び率1位となった。
根強い健康志向 2~4位は健康関連
2~4位に入ったのは健康志向関連カテゴリーだった。2位は「ビネガードリンク」と「カツオ油漬け缶詰」が124.2%の同率で並んだ。「ビネガードリンク」は2017、2018年と、ともに前年比118%で4位だったが、今年は更なる伸びを示しており、特に50代、60代、70代で売れているという。
カツオ缶の3位ランクインは昨年1位となったサバ缶が起こした魚缶詰ブームの一環といえる。僅差の4位は123.8%の「かに足かまぼこ」で、筋肉を作る食材で血糖値上昇も抑えるなどとしてテレビでも取り上げられ、大きく数字を伸ばした。
5位は日用雑貨品では久々の大ヒットの「こすらないバス用クリーナー」
こすらないで洗剤をかけて少し放置し、その後洗い流すだけでいいというバス用クリーナーが発売され大ヒットとなった。今までの概念をひっくり返した画期的な商品となり、カテゴリー全体の売り上げを大きく伸ばした。
過去3年の上位は健康志向商品が中心
過去3年の順位を見ると健康志向のプロダクトが目立つという。2016年は「甘酒」が182%となり、続いて「蜂蜜」、「ヨーグルトドリンク」などの顔ぶれだった。
2017年も「甘酒」が187%で1位となり「トマトジュース」、「米飯用穀物(もち麦など)」と続いた。2018年は151%で「サバ缶」が1位、2位に148%で「サラダチキン」が入った。3位以降は「無糖炭酸水」など飲料が続いた。
2019年は必ずしも健康志向ではないタピオカドリンクのような新たな潮流が見られたが、健康関連商品はメディアでも多く取り上げられているだけに、2020年以降も底堅い需要があるとインテージでは予測している。
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