女性マーケターだからこそ持てる強みとは?
MZ:あまり女性マーケターと切り取っても仕方ないかもしれませんが、女性マーケターが活躍するために何が必要だと思いますか。
谷津:男性だから、女性だからという違いはあんまりないとは言いつつも、女性ならではの生活の視点がマーケティングにも活かせるのではないでしょうか。
たとえば夫婦で考えた場合、やはり家事や生活必需品の買い物などは女性が行うケースが多いと思います。その家事や買い物の中で得られた視点は、マーケティングにも活用することができるはず。
もちろんマーケターとして客観的な目線は必要ですが、1人の生活者の視点を持てるかどうかは非常に重要だと思います。

MZ:少しずつ男女が平等に活躍できる環境が整いつつありますが、まだ男性のほうが強い組織、職場というのも存在すると思います。女性マーケターがより活躍しやすくなるために、どういうキャリアパスや組織体制が必要だと考えていますか。
谷津:組織体制だと、より柔軟性が求められるのではないでしょうか。たとえば、1回産休を経て、一定期間フリーランスになっても、また戻れるなどですね。時短勤務などは当たり前になっていますが、もっと自由になっていいのではと思います。
一方で、自由になればなるほど規律みたいなものも大事になってくるので、会社はもちろん対象者の意識を統率することが必要ですね。ただルールが緩くなっただけで、不公平感が生まれてしまっては意味がありませんから。
決断した時点で正解かはわからない
MZ:現在、 MCAのメンターとしても活動されていますが、メンティーとの相談で多い悩みってありますか。
谷津:メンティーの方がワーキングマザーなので、子育てと仕事の両立に関する悩みが多いですね。ただ、皆さんポジティブな気持ちで相談してくるので、メンティーの方自身が実は悩みを解決する方法を知っているケースが多いんですよね。その答えを引き出せるよう、意識して向き合っています。
MZ:では、あまり谷津さんからはアドバイスしていないのでしょうか。
谷津:もちろん、「○○なときはどうしましたか?」みたいな質問も受けるので、それは自分の経験などに基づいて、アドバイスしています。
MZ:では、最後に谷津さんの今後のキャリアにおける展望、マーケターの皆さんへアドバイスをお願いできますか。
谷津:展望は3つあります。1つ目は、マーケターを憧れの職種にしたいということ。特に女性の方になりたいと思ってもらいたいですね。2つ目は、マーケターの中でも、エージェンシーのプランナーならではの面白さや醍醐味を伝えていくこと。そして3つ目は、日本初で世界を驚かすようなキャンペーンが少ないので、それを作ることです。BBDOの海外のオフィスと仕事をしていると、とても刺激を受けるので。
そしてアドバイスですが、私が転職するときにある方から頂いた「人生の大きな決断は、その後自分がどうするかで、それが正しかったかどうかを証明するもの。決断した時点で正解かどうかはわからないので、その後どうしていくかが大事」という言葉が、そのまま皆さんにも当てはまると思っています。
社内で何か自分の仕事内容を変えるにしても、転職にするにしても、女性が結婚や出産をするにしても、決断する段階では何が正解かはわかりません。ですので、自分がその決断をして本当よかった、思えるように頑張ってほしいです。
万一、正解と証明できなくても、次に行けばいいと思っています。失敗のほうが糧になることも多いですし。ピンチや失敗に対していい意味で鈍感になって、前に進んでいただきたいです。
