シニア層と店舗の接点を創出
MarkeZine編集部(以下、MZ):今回東急リバブルの店舗で「メルカリ教室」を開いたと聞いています。その理由を教えてください。
今井:私が所属する営業推進部では、営業現場でお客様に最適な提案ができるよう、日頃から様々なサービスの開発を行っており、そのための新しいアイデアを日々探しています。
そのアイデア探しの一環として、通勤電車内にてスマホで観ていたテレビ東京の情報番組の中で、「終活」特集をしていたんです。終活を考えるシニア層は不動産売却を検討する可能性がある人が多いので、何かヒントがあるのではないかと、興味を持って観ていました。
すると番組の中で、シニア層に「ものを捨てるのではなく譲る」方法としてフリマアプリ「メルカリ」の使い方を教える取り組み「メルカリ教室」が紹介されていたのです。これはおもしろいと思い、メルカリさんに問い合わせたのがきっかけです。
MZ:御社のターゲットになりそうな、シニア層に対する接点を設けるために「メルカリ教室」の開催を決めたということでしょうか。
今井:おっしゃる通りです。東急リバブルの店舗の多くは、駅周辺で徒歩圏内の好立地ですが、不動産のお取引というのはそう頻繁に行われることではありません。そのため、店舗があることを知られていないケースも多いです。
また、不動産という高額な資産のお取引をする場でもありますので、とっつきづらいというイメージが強く、知っていたとしても店舗に入るにはハードルが高いという課題があります。
そこで、メルカリの使い方を教えるという、不動産とは直接関係のないところからアプローチして来店するという体験をしてもらいたいと考えました。
店舗の有効活用で地域振興のきっかけに
MZ:確かに駅から近くて立地が良い店舗だと、相性も良さそうですね。
今井:そうですね。加えて、店舗の内装も高級感のある雰囲気作りを心がけていますし、プライバシー性の高い打ち合わせ室もあります。そのため「ものを売るのをあまり周りに見られたくない」といったニーズにも応えられると考えました。
MZ:シニア層との接点を広げる以外に、「メルカリ教室」を開くに至った背景はありますか。
今井:もう一つの狙いとしては、店舗の有効活用という目的も背景にあります。不動産のご相談を頂くのは土・日・祝日の休日が多いので、それに比べると平日は店舗スペースにゆとりがあります。せっかく好立地の店舗でも活用していないスペースがあるのはもったいないので、平日の店舗活用策としても有効なのではないかと考えました。