他の業界に学び、新しい顧客体験を創出
――現在はお客様のデジタルシフトに合わせて、メディア戦略だけでなく、顧客体験の改善にも取り組まれているそうですね。
坂田:はい。現在『不動産情報サイト「SUUMO」』では、モデルルームの即時予約システムの導入が進んでいます。美容や飲食といった業界では当たり前かもしれませんが、モデルルームの予約は、これまでとても手間のかかるものでした。
電話で「見学に行きたいのですが」と問い合わせると、クライアントさんが調整してから、折り返し連絡がくるという仕組みのため、お客様は正式に決定するまで他の予定を入れにくい。また、モデルルームでの接客は時間も要するため、2時間、3時間と接客されてくたびれてしまう、ということもよく起こっていました。
そこでネットで予約をする際に、「平日の夜30分ご案内コース」や「接客なしで自由に見てください」というコース、「2時間ご説明しながらじっくりご案内します」など、様々なコースを分け、カスタマーの様々なニーズに合わせ、その場で予約が成立できるようにしました。
――初期検討からモデルルームの来訪まで一連のフローにおいて、利便性の向上に取り組まれているのですね。最後に、今後の展望を教えてください。
坂田:メディア戦略については今後も、これまでなかった“半歩先の観点”でコンテンツを出し続けるとともに、フリーペーパーならではの新しい選択肢や切り口を提供していきたいと思います。
フリーペーパーからネットへ、そして来場へとつながるOMOにも、積極的に取り組んでいきたいです。新築マンション業界にとっても、検討者にとっても欠かせない媒体であり続けたいと思います。