カスタマーの行動を生み出すアプリの導線
――ロケーションバリューさんが手掛けたアプリには、どのようなものがありますか。
小嶋:まずは生活雑貨店のPLAZA(プラザ)さんのアプリを紹介したいと思います。20代女性をメインターゲットにしたアプリで、EC商品を閲覧・検索できる機能を搭載したアプリにしました。
トップ画面では、PLAZAさんのメインターゲットの特性を活かし、新商品を無限に見られる作りにして、興味・関心を誘うようにしています。
小嶋:PLAZAさんの場合、店舗で商品購入する方が多いため、会員登録の煩雑さによる離脱やレジ前での混雑を防ぐため、会員登録をしなくても、アプリをダウンロードした後、簡単に会員証が発行される仕組みも搭載しております。そこで貯めたポイントをユーザーが使用したくなった時にはじめて会員登録をしてもらうようにしました。
ECについては前述した新商品の訴求だけではなく、検索機能をネイティブ化し検索性を向上させただけではなく、オンラインストアで興味を持った商品を店頭で探す方も多いため、アプリで商品のスクリーンショットを撮りやすくする機能を搭載し、OMOのアプリとしての使い勝手も考えています。
それから、イオン九州さんのアプリの場合は、全社をあげてアプリを活用した販促に取り組んでいます。このアプリの場合、店舗にチェックインすると必ず「WAON POINT(ワオンポイント)」(イオングループ共通ポイント)が付与されます。これにより、お客様の来店履歴を基に様々な販促施策を展開できるんです。
小嶋:ほかにも毎日「4時からクーポン」というものを発行していて、特定の商品が4時以降5%引きになるため、ユーザーはアプリを立ち上げてその日のお買い得品をチェックしてくれるようになります。このように、アプリを全社的に重要なプロジェクトとして、店頭の販促施策まで結びつけると、ユーザーにも定着しやすいですね。
その企業にとってふさわしいアプリの在り方を追求
――どちらの例も、シンプルな機能でありながら使い勝手が考え抜かれていると感じます。
小嶋:そうですね。アプリ開発というとどうしてもシステム開発寄りの考え方で、搭載したい機能ありきで考えてしまいがちですが、実際に使うのは来店するユーザーだったり、その企業のカスタマーです。すべてのアプリにリッチな機能が必要なわけではないですし、あらゆる企業のユーザーがゲーミフィケーションを求めているわけでも豊富な記事コンテンツを読みたいわけでもありません。
一番大切なのは、ユーザーにより良い体験を提供すること。それは店頭における接客サービスと同じことだと思うんです。
先日、私たちの「ModuleApps」を使って制作したアプリの累計ダウンロード数は4,000万を突破しました。企業のアプリ制作に特化したノウハウを持ち、各企業が目指したいゴールに合わせてアプリの全体像や必要な機能をご提案できるという面では、企業様のベストパートナーになれるのではないのかと考えています。アプリ開発やグロースに課題を抱えている企業様は、ぜひご相談いただきたいと思います。
――本日はありがとうございました。