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MarkeZine Day 2025 Retail

SaaS事業の全体最適を導く「新・組織論」

顧客体験の設計を通じて、SaaS事業の全体最適を導く「パーセプションフロー・モデル」


特徴(1):「ベネフィット」を軸としている

 第2回で紹介した3つの視点の内、1つ目は「ベネフィットは何か」という点だった。顧客体験の軸を、「ブランドが」できること(機能)ではなく、それによって「顧客が」得られる・達成できること(ベネフィット)に置く必要があると論じた。

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 それに対してパーセプションフロー・モデルを紐解くと、「ベネフィット」という言葉が繰り返し登場するように、ベネフィットの提供と実感を軸に一貫していることがわかる。このように、ベネフィットを軸としてすべての顧客体験を明示するため、顧客との摩擦を解消できる。

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特徴(2):顧客の「現状」を起点とする

 2つ目に必要な視点として、「顧客が現状どのような状態に置かれているか」を起点にすべきと論じた。

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 パーセプションフロー・モデルは、まさにその顧客の「現状」を出発点とし、「顧客が現状どのようなパーセプションに基づいて、どのような解決策を採用しているか」を描くことから始まっている。このように、すべての段階で顧客のパーセプションに基づいて届ける知覚刺激を考えるので、「ブランドが言いたいこと」ではなく「顧客が聞きたいこと」を伝え、受容しやすい体験を設計できる。

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特徴(3):行動の「理由」に着目している

 3つ目の視点は、「行動に変化をもたらす必然的な理由は何か」であった。行動だけを描写した顧客体験とそれに基づく活動では、施策実行の際に成功/失敗の理由がわからず、有効な打ち手を導けない。また必然性が説明できない活動は、やみくもな「量」を追うことにつながり、部分最適を引き起こすことも述べた通りだ。

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 それに対して本稿冒頭で述べたように、パーセプションフロー・モデルは顧客の行動を左右する「理由」となるパーセプションを主眼に置いている。その「パーセプション」に基づいてすべての活動を明らかにすることで、成功・失敗をもたらした原因の特定を可能にし、打ち手を導くことができる。

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本モデルによる目標設定の利点(1):LTV向上に向けた全体最適を導ける

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この記事の著者

横山 直紀(ヨコヤマ ナオキ)

 Fringe81株式会社 SaaS-Growth局長。東京大学経済学部卒業後、Fringeに入社。入社後は一貫して、消費財メーカーにおけるIMC設計支援~メディアバイイングに従事。2018年からは1年間株式会社エフアイシーシーに出向。『パーセプションフロー®・モデル』(※)を習得し、BtoB向けの本モデル構築サービスを開発後、Fringeに帰任。

 帰任後は、グループ会社が運営するSaaS事業『Unipos』におけるパーセプションフロー・モデルの構築と組織への浸透をリード...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/04/08 15:40 https://markezine.jp/article/detail/33126

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