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SaaS事業の全体最適を導く「新・組織論」

顧客体験の設計を通じて、SaaS事業の全体最適を導く「パーセプションフロー・モデル」


補足:パーセプションフロー・モデルの構築前に必要なこと

 実はパーセプションフロー・モデルの構築に取り掛かる前には、行うべき最重要なことがある。マーケティング戦略の策定、つまりマーケティング活動を通じ、どのような資源を活用してどのような目的を達成するかを明示することだ(会社によっては、事業戦略と言うほうが適切な場合もあるかもしれない)。

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 パーセプションフロー・モデルについて説明する際に、図らずも「これで戦略を作ります」というお声をいただくことも一部あるため、念の為この点を付言しておく。パーセプションフロー・モデルは戦略から導かれて設計されるべきもの・戦略を具現化するものであり、逆(戦略そのものを導くもの)ではない。戦略ありきでなければ、仮に顧客理解に基づいてモデルを構築し実行に移せたとしても、求める成果からは離れてしまう。

 卑近な例で説明すれば、新しく家を建てるときに、まず設計図を書いてからその家でどのような暮らしをしたいかを考える人があまりいないのと同様だ。「設計図を作ったときに子供部屋を1つしか書かなかったから、2人の子供には我慢して1部屋で暮らしてもらうことにしよう」というケースはまず耳にしない。

 新しい家を建てるときには、まずお金を始めとした「資源」という制約条件の中で、どのような暮らしをしたいかという「目的」をセットで考える(=マーケティング戦略)。その後に、その暮らしを実現するために必要な部屋数や間取り、あるいは車のガレージは要るのか要らないのかといった新居の設計図(パーセプションフロー・モデル)を描くはずだ。この点は当たり前のようだが、手段の目的化が起こりがちなビジネスシーンでは絶えず意識に置いておきたい。

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この記事の著者

横山 直紀(ヨコヤマ ナオキ)

 Fringe81株式会社 SaaS-Growth局長。東京大学経済学部卒業後、Fringeに入社。入社後は一貫して、消費財メーカーにおけるIMC設計支援~メディアバイイングに従事。2018年からは1年間株式会社エフアイシーシーに出向。『パーセプションフロー®・モデル』(※)を習得し、BtoB向けの本モデル構築サービスを開発後、Fringeに帰任。

 帰任後は、グループ会社が運営するSaaS事業『Unipos』におけるパーセプションフロー・モデルの構築と組織への浸透をリード...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/04/08 15:40 https://markezine.jp/article/detail/33126

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